北澤孝太郎氏講演録(1)
2009年9月 7日

「お客様との上手な関係のつくり方」 | 北澤孝太郎氏講演録(1)

執筆者: WEBインソース編集部

北澤孝太郎氏のご紹介

◆北澤孝太郎氏◆
1985年、株式会社リクルート入社、20年に渡り、通信、採用・教育、
募集広告の分野で要職を歴任。営業責任者として、常に最前線に
立ってきたスーパービジネスパーソン。
 

◇QUESTION◇

「新規営業先とリレーションシップを効果的に構築する上で(仲良くなってニーズを聞き出せるようになるために)気をつけるべきこと、心がけることはなんですか?」
 

◆ANSWER◆

「営業としての3つの目を持つ」

私は、新規の営業に行った際には、3つの目を大切にしてきました。
それは、「近づく目」、「観察する目」、それから「落としどころを計る目」です。

まず「近づく目」なんですが、お客様がこちらの自信を感じられる、そういう目でないと、お客さんは話を聞いてくれません。商品知識の裏付け、営業に対する経験、そういうものが目に宿り聴く気にさせるのではないでしょうか。
気がそぞろだったり、緊張しすぎたりというのはよくないですね。

次に「観察する目」ですが、これは商談中にお客さんを見る目ですね。
お客さんがどのように感じているか、考えているか、またお客さまはどんな人なのか、お客さんと話している中でも、しっかりと観察します。

それから、「落としどころを計る目」ですね。
この目になるときには、次はどうするか、段取りを考えて、どの辺りで手を打つかを推し量るようにしています。

そして、3つの目を駆使したあとは、次に繋げる約束をします。こちらでできる最大のことをアウトプットするためです。もちろん、その場でお返しすることもあります。

このときアウトプットのときに重要なのは、お客様の予測値(期待値)をはるかに超えるということです。お客様が「わおっ!」と驚くようなものをお出しする。それがすごく大事ですね。
特別な関係になろうと思えば、驚かせることだけじゃなくて、たとえ怒らせても相手の印象に残こらなければなりません。

◇QUESTION◇

既存のお客様から積み増しで受注を受けるために、最も大切なことはなんですか?

◆ANSWER◆

「顧客とのリレーションシップをいかに構築するか」

積み増しで受注をもらうことで一番重要なことは顧客の課題を細分化していくということです。

顧客取引拡大プロセスは、開始⇒拡大⇒委譲⇒縮小⇒消滅というサイクルを辿ります。

こ の中で、まずは、徹底的にお客様を理解し、その課題をお客様と握り合うことが大事です。いろんなフレームを使うこと、また実際にいろいろ聴いてみたり、見 てみたりして、「お客様の何が課題なのかをきちんと理解し、それをお客さまにも認識してもらう」これがないと次に繋がりません。この課題をもとに、お客様 を動機付け、好意的決裁ルートを確保します。そして、その課題の具現化に対する提案をし、実現していきます。

そして大事なのはその次です。 お客様は、課題に興味関心がなくなった時点で委譲を始めます。「やっといて。」です。これが始まると取引額はステイしてしまいます。課題に対する認識もだ んだんと薄れてきます。そうなると決裁ルートが段々好意的でなくなってきます。そうして取引は縮小し始めるのです。
常にお客様の課題に対する認識を持ち続けて頂けるか。そのために課題を細分化していきます。

それから、若手の皆さんに申し上げたいことは、新規営業先との関係を構築するには、顧客の印象の「最大公約数を目指す」ということが重要だと思います。
お客様との関係づくりをする上では、本来差別化すべき提案内容と関係のない、服装や髪型、口臭などのエチケットなどお客様が違和感をおぼえないようにする必要があります。

私も入社から3年目くらいまでは、ほとんど紺のスーツかグレーのスーツに
白いワイシャツという格好で、髪の毛も七三にきちっと分けていました。
「お客様との上手な関係をつくる」前に、まずより多くのお客様に受け入れていただかなくてはなりません。

営業上級者の方に関して言えば、人の功利に対してどこまでも寛容であることが大切です。
人というのは、ただ商品を薦めて、その商品の魅力が伝われば関係が成り立つというものではありません。

「さぼりたい」とか、「仕事の話ばっかりするのはいや」だとか、「会社より自分が得したい」とか、そういう人間が本来持っている表面的にしたくない感情面に対して、どれまで寛容になれるかで、お客様と仲良くなれるかどうかが変わってくるんじゃないでしょうか。

◇QUESTION◇

営業先から「NO」をもらってからの起死回生策は何かありますか?

◆ANSWER◆

「ホンネを聞いて、抽象の梯子を架ける」

もし、営業先から「もう来なくてもいい」とか「お断りします」と言われたら、くじけてしまうこともあるでしょう。それでも上司から「絶対取って来い」と言われたら、僕はまずNOの流れを食い止めることに力を注ぎます。

強いトーンで断らても、お客様の興味のあるような話をぽんぽん投げてつなぎとめます。
そして、そのNOの流れが止まったら、必ずお客さんに本当の理由を聞くことです。どうして駄目なのか、その理由が分からないと何にもできませんから。

で、 そのときに、どうしても彼らがこだわりたい“MUST”の項目と、あったらいいなという“WANT”の項目とを確認します。よく、ここを混同して、感情だ けでNOを言われているケースが多いんですね。“MUST”の項目は満たせそうなのに、“WANT”の項目が違うのでNOと言われているのは実に勿体ない です。この項目を整理させ、納得してもらう手法は、営業の専門用語で、「抽象の梯子を架ける(抽象度を上げる)」というもので、いろいろあります。

「例えば僕はみかんが食べたい」とお客様が言ったとします。
そうしたら、「あぁ、あの甘くて酸味のある果物ですね」と一度果物の話にしてしまう。
そして、「りんごも、酸味があっておいしいんですよ」と話をつなげます。
もしもこのとき、お客様のMUST項目が、「甘くで酸味のあるもの」で、WANT項目が「みかん」だったらOKということです。
その一手間をかけずに、「みかんが食べたい」、じゃあ「りんごじゃ駄目ですか」というように、ストレートに他の選択肢をぶつけても駄目です。

お客様の本当の要望が確認できたら、その実現が最大限叶えれるまでその要望を抽象化してしまって、それを叶えるにはもっとこんな選択肢もあるよと示してあげることが大切ですね。
 

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