2009年9月10日

「仕事の考え方」から理解させる研修テキストの作成法・ポイント編

執筆者: WEBインソース編集部

優れたテキストがあればOJTに頼らなくて済む

研修を内製化する際に必要となるのが、「何を教えるか」という内容、「講師としての教えるスキル」、「教えやすいテキスト」の3つです。すべて大変ですが、特にテキスト(マニュアル)の作成は手間がかかる上、内容を一から作るのも骨が折れます。実際にはこんな状況ではないでしょうか?「内部統制の導入をきっかけに、時間と費用をかけて業務マニュアルを作ったが、若手に仕事を教える際には、とても使いづらい」「仕事のマニュアルやテキストの類は一切ない」「だから、職場教育はOJTに頼るしかないんだよね」という声が聞こえてきます。
しかし何でもかんでもOJTに頼ってしまうと中堅層が疲弊してしまいます。また実際、教育体系の不備でやる気を失う若手も増えます。
テキスト作りを徹底的に行い、現場(中堅層)の負担を軽減しましょう。このテキスト作成には、3つの特徴があります。

1.仕事経験の浅い方にも分かりやすい
2.作り慣れている人事・研修部門の方でなくても簡単に作成できる
3.非常に楽しく作成できる

現場のノウハウを整理・活用

実は、テキストの素材は随所にあります。例えば、ベテラン担当者とか仕事の要領が優れた人の引き出しの中には、正式の業務マニュアルではないものの実践的な?マニュアルもどき”のメモや書類が隠されていることが多いのです。分厚い公式マニュアルの一部をコピーし、切り貼りしてあったり、帳簿やパンフレット見本などにポイントを書き込んであったり、特殊な取り扱いについて詳しく補足されてあったりするなど、多種多様です。研修テキストに求められるのは、実はこのような内容なのです。限られた時間と労力でコンパクトに作られていることもテキストとして評価できます。
ただし、上記のような個別の?マニュアルもどき”は、ほとんどの場合、仕事に必要な商品説明、操作要領などの詳細資料はすべてそろっているが、他の人が見てよく分かるようには作られておらずそのままでは使えません。体系立てて整理し「要約版」を作ることで、分かりやすい研修テキストを完成させる必要があります。

テキストを分かりやすくする6つのポイント

効果的なテキストには、次の6つの要件が備わっています。

1.全体像が鳥瞰できること
2.仕事において実現すべき事が分かるように「考え方の軸」が示されている
3.何ができたら“○(マル)”か「到達目標」が数値や明白な行動レベルで示されている
4.実務の確認点が「チェックリスト」で示されている
5.用語の意味、ノウハウ・コツなど、注釈が記載されている
6.クレーム・トラブルなどの「事例」を記載し、理解できる様に「見える化」されている

ポイント1:「全体像」と「考え方の軸」で判断力を身につけさせる

まず、仕事の全体像が俯瞰できるようにし、仕事を進める上での考え方の軸を提示します。昔と違って“とやかく言わずに言われたとおりやれ”では人は動きません。この仕事の全体像、その中での位置づけやこの仕事にどのような意味があるかを納得させること。それが、仕事を理解し、できるようになる大前提です。「全体像」や「考え方の軸」を明確に示しておけば、仕事に対する判断の根拠になり、未知の問題に直面しても、対応できる力がつきます。

ポイント2:到達目標を示し、求められるスキルを明確化

「到達目標」を数値や行動レベルで示す理由は、仕事の品質を高いレベルで一定に保つためです。単に時間をかけて作業をするだけでは「仕事ができた」事にはなりません。しかし、「良い仕事をしろ」と言っても、そもそも仕事を知らない若手には、よく分かりません。何をしたらよいかを行動レベルで示して初めて、目標が理解されると考えるべきです。

ポイント3:実務の確認点をチェックリストで示す

リスク管理の観点から、“絶対していけない行動”を洗い出し、「チェックリスト」として、業務の流れに関連づけて記載します。

ポイント4:一見分かりにくい事柄には注釈を

業界特有の用語や専門用語には必ず注釈を記載します。こうした用語は新人以外には当たり前すぎて、体系立てて意味を教える対象から見過ごされがちですが、勘違いを防ぐためにもぜひ用語解説の作成をお勧めします。
また、例外処理やノウハウ・コツなど1つでも2つでもよいので記載します。そうすると別の角度からの業務の理解に役立ちます。文字化しにくい暗黙知を極力文字化しておきます。

ポイント5:事例をつけておく

クレーム・トラブル事例などは、「事例」を記載し、印象強く理解させることでミスを防ぎます。できれば、ヒヤリとしたもの、ハットしたものまで記載すれば、申し分ありません。

ポイント6:業務の?要約”を意識する

これらを踏まえて、作成した研修テキストの最初のページは、下の図表1のようなものになります。
これは、「仕事の要約版」と言ったものです。最近の携帯電話に付属している顧客マニュアルなどを意識して、要約版を作るのがコツです。

図表1:研修テキストのイメージ(記入前)
http://www.webinsource.com/news/pdf/9/9-1.pdf
 

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