2009年9月10日

「仕事の考え方」から理解させる研修テキストの作成法・「テキスト作成研修」の進め方

執筆者: WEBインソース編集部

「テキスト作成研修」で一気に普及させる!

「テキスト作成研修」の進め方
対象階層:中堅以上(階層はばらばらでも可)
所要時間:3時間程度
人数:10?20名程度(4名1チーム)
資料:記入用シート、業務用テキスト完成例
■記入用シート
http://www.webinsource.com/news/pdf/9/9-1.pdf

■業務用テキスト完成例
http://www.webinsource.com/news/pdf/9/9-2.pdf

4名を1チームとし、個人ワークで手を動かして、テキストを作りながら研修を進めます。原則、個人ワークで進めていきますが、少し難しい点などは、ペアワークやグループワーク形式で一緒に考えながら進めていきます。参加するメンバーにとっては、欲しかった若手指導用テキストが途中で挫折することなく、どんどんでき上がっていき、研修成果が「テキスト」という現物で見える、達成感のある研修となります。

 

ステップ1:「考え方の軸」「到達目標」を書く(20分程度)

1.「考え方の軸」?なぜ、そのような行動が求められるのか

まず、個人作業でシートを記入していただきます。「考え方の軸」を書くには、コツがあります。スローガン的な言葉を一言で示したうえで、その理由を加えるのです。例えば、「整理整頓が重要な仕事」の場合、単に、この仕事には「整理整頓が重要」と記述したのでは不十分です。形式的になりすぎて、言葉の持つ重みが行動に転化しない可能性が大きいからです。
あるいは、「毎日帰る際は、机上には何もないように片付ける」と具体的に書いても、なぜそのような行動が求められるのかという必然性が見えません。「机上には何もないように片つける」といっても、机の中がごちゃごちゃでは意味がありません。引き出しの中に入っている書類は、すべて会社のもので、個々の社員は仕事を効率的にする責務を負っている、という点に理解が及ばないと片付ける意味は正しく伝わりません。

2.「考え方の軸」とは判断のモノサシを示すこと

このような場合、「考え方の軸」には、「整理整頓?仕事を早く終わらせ、書類紛失によるトラブルを防止する」というレベルで示します。こうすれば、具体的な行動として、「毎日帰る際は、机上だけでなく机の中まで整理整頓する」が導かれやすくなります。言葉を変えると、「考え方の軸」とは“判断のモノサシ”を示すことに他なりません。

×「整理整頓」の重要性」
→スローガンだけでは、行動に落ちない
×「毎日帰る際は、机上には何もないように片付ける」
→机の整理以上の広がりがない
○「整理整頓?仕事を早く終わらせ、書類紛失によるトラブルを防止する」
→スローガンと行動の意味が分かる

次に、外食業の例を考えてみましょう。コーヒーを淹れるテキストであれば、以下の様になると思います

×「おいしいコーヒーを淹れる」
→スローガンだけでは、行動に落ちない
×「温度は80℃、1分蒸らし、3分抽出」
→これが、すべての場合に正しいとは限らない
○「おいしいコーヒーを淹れる?季節、タイミング、時間を踏まえ、お客様の好みに合わせる」

コーヒー好きの人でも、時間によっておいしいと感じる温度が異なる場合があります。例えば、朝は忙しいので、あまり熱くなく早く飲めるものを、昼食後は、ゆっくり時間をかけて飲むので、熱めのものをおいしいと感じるといった具合です。目の前のお客さまにとって今求められる「おいしさ」を考えて淹れるべきだというメッセージを表現します。

3.「到達目標」のゴールを決める

次に「到達目標」を書いてもらいます。具体的には、達成度を測定できる尺度が必要です。先のコーヒーの例では、以下のようにしては、どうでしょうか。
「毎日、お客様10人に「おいしかった」とお帰りの際に声をかけていただく」

ステップ2:全体像フロー図の作成(30分)

これも個人作業で実施します。具体的には、当該の仕事の流れを踏まえて整理します。すでにフロー図があれば、それを活用して加筆してもいいでしょう。

1.フロー図作成の3つの基本

・時系列で記述する
・キーワードを極力使う
・できるだけ詳細に

時系列で記述するのは、仕事の流れを理解させるためです。また、作業手順については、業務の印象が残りやすい様に「キーワード」を意識し書いていきます。しかし、ただ、キーワードを羅列しただけでは、その仕事を知らない方が、内容を正しく理解できません。数値など具体的な内容も記載し、文章として意味が通るようにかきます(あいまいな表現は削る)。自分が?これで充分だ”と考える以上に詳細に分かりやすく記載するのがポイントです。

2.登場人物が多い場合のフロー図

多様な担当者や部門をまたいで実施する複雑な業務もあります。そのような場合は、縦軸(時間)と横軸(担当者、部門)を設け記述します。その際には、作業内容や処理内容を行動レベル(具体的に何をするか)で記入し、業務の流れを、矢印で示します。

ステップ3:チェックリストを作る(30分程度)

次は、「チェックリスト」欄を作成します。ミス・トラブル削減が目的となりますが、チェックリストにより、仕事の手順が標準化され、業務品質の安定化が可能です。業務フローに従って、思いつく限りチェックポイントをリストアップしていきます。ただし、シートにまとめる際は、チェックポイントの数は「ほどほど」でお願いします。
ミスが発生した場合の影響の大きさ、ミスの発生比率(頻度)の観点から、チェックする箇所を重点志向で選択します。なぜなら、、“すべてを同じようにチェックするのはチェックしていないのと同じ”です。ミス防止のため、チェック項目をうんざりするぐらい記載すると、不思議なことに、ミスは減らず、またさらなるミスを生む「ミスの悪循環」に巻き込まれます。細かい点ばかりに気を取られるより、仕事に対する「考え方の軸」をきちんと認識させ、業務に取り組ませる事が先決です。
チェック項目は、担当者の責任項目として、「確実にチェックすること」とすべきです。

ステップ4:ノウハウ・コツを記載する(20分程度)

ノウハウ・コツは、研修に参加しているベテランにとっては当たり前になってしまっていることなので、なかなか思いつきません。これは一人で考えるより、ペアワークで話し合いながら作るほうが有効です。

ノウハウ・コツを「見つける」3つの方法

・トラブル・クレームから
・ヒヤリ・ハットから
・お客さまの問合せから

まず、ここ最近半年間に表面化したトラブルやクレームのような課題・問題についてよく考えてみます。その際の原因、解決策や防止策を思い出してみるのが早道です。あるいは、トラブルに至らなかったが、ヒヤリ・ハットした経験があれば、そこから洗い出すのも有効です。または、お客さまからのお問合せのあった事柄を思い出し、その対応方法を整理するのも「コツ」「ノウハウ」を発見する方法です。

ステップ5:他の研修メンバーを活用して完成度を高める(30分程度)

さて、やっとできてきたテキストですが、ここから磨きをかけ、過不足、記述を確認し、より分かりやすいテキストを目指します。ペアワークでテキストの内容、書き方を検証します。

【わかりやすさを検証するワーク】

1.2人一組になる。可能であれば、別の部門の方とペアになる。お互いに仕事の内容を知らない方が効果的。
2.自分が作成したテキストを相手に渡し、1分間内容を説明する。
3.渡されたテキスト(相手が作ったもの)を使って、説明を行う
4.自分の作ったテキストによる相手の説明を聞く。その説明とテキストでよく理解できるかどうかを評価する。
5.2?4を役割交代して、実施する。

このワークは大変有効です。相手の説明が分かりにくければ、結局、自分のテキストの出来が悪いことが分かるからです。自分では、当然の事と思っている点を相手にうまく説明できなかった場合などは、説明が不十分なことになります。それを踏まえると初心者向けのテキストとして、本来何を書くべきだったかが見えてきます。加えて、余程くわしく書かないと相手に理解されないことも改めて分かります。こうして完成させたテキストが下記の図表:業務用テキスト完成例です。

■業務用テキスト完成例
http://www.webinsource.com/news/pdf/9/9-2.pdf

ステップ6:他の参考資料を添付する(研修後各自作業)

ベテラン担当者などが持っている資料のコピー、帳票、パンフレット見本などを参考資料として整理し、このテキストに添付して、最終版とします。
 

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