新入社員研修「絶対!忘れてはいけない10のポイント」(4)
2009年9月17日

OJT研修を考える

執筆者: WEBインソース編集部

 OJT研修は教える側にもスキルが問われる

 昔は、「俺の背中を見ろ!」的な「OJT研修」で(または「俺について来い」的なもので)ある程度の成果をあげることができましたが、現在の若者は、それほど単純でなく、また「教えてもらうのが当たり前」の環境の中でずっと育ってきているので、あまりその方法は馴染みません。

いまどき、「俺の背中を見ろ!」でついてこれる、何も言わなくても先輩の技術をしっかりと“盗める”人間は、あえて研修をやるまでもない優秀な人材です。

(そのような人材は社内に1割もいないでしょう)

また、現在の若者は、「自分が成長しないのは、教える側が悪い」と本当に思っている人間もかなり多いと聞いています。

この意見は、もちろん自分勝手なものですが、新入社員研修やOJT研修は、教える側の指導方法や企画力がかなり問われるという意味では真理をついています。

まず、研修をやるに当たり、最初に注意したいのは、新入社員研修の際には、あれもこれも教えたいという風になりがちですが、必要なことを全部やるのは到底無理です。

あまり無茶な目標を設定すると、新人たちのやる気がなくなってしまいます。

かといって、甘やかすのもよくありません。

新入社員研修全体のレベルは、“少しがんばればできる”ぐらいに設定しておくのが適切です。

OJT研修は教える側にかなり負担がかかる

 

「OJT」は「On the Job Training」、つまり「仕事の中で仕事を覚える」ということです。

これは弊社の常務の弁ですが、「会社を見るときに、教育体系にOJTとだけ書いてあるところには入ってはいけない」と。

なぜかというと、「OJTだけ」ということは、「自分達だけで現場で勝手に覚えろ」ということと同義だからです。

教育・研修担当者からすれば、新入社員研修をすべて現場のOJT研修でやってもらえれば楽ですが、OJT指導に頼りきりになると、現場の他の社員が疲弊します。

OJTは本当に必要な所で効果的に投入してください。

また、新入社員研修は、全体を俯瞰し、かつ研修スタイルの特性を考慮して、OJTとOFF?JTを効率的に組み合わせて計画する必要があります。

例えば、マナーやビジネス文書、「報・連・相」などのビジネススキル系の研修は、OJTでやる意味はなく、大人数で、他の部署の新人と切磋琢磨させながら行なった方が効率的で、現場も通常業務が円滑に進みます。

OJTは、部署ごとに特有なケースやOFF?JTの基礎知識を基に実践として取り組むケースなどに限定して、あまり安易に実施するということは避けた方がよいでしょう。

また、OJTに偏らない方が良い他の理由としては、教える側が、一定のスキルを持っている場合とそうでない場合の落差がはげしくなると、(OJT指導者の出来・不出来で)新人にむらができる危険が生じるということもあります。

「ほめる」・「しかる」技術

 

OJT研修で難しいのは、やはり、「教える側―教えられる側」という“上下(縦)の関係”をどのように築き、維持するかということです。

横の関係は、無理をしなくても簡単に維持できるものですが、上下(縦)の関係は非常にやっかいなものです。 

その上下関係を維持するために重要なのが、適切な「ほめ方」と「しかり方」です。

人の悪い点をみつけるのは簡単ですが、人の良い部分をみつけて、ほめることは日本人には“苦手”と言われています。

しかし、どんな小さなことでも積極的にほめると新人のモチベーションが高まります。

すぐに上手にほめるようになる方法としては、20個以上「ほめる」言葉(バリエーション)をもつことをおすすめします。

騙されたと思って、やってみて下さい。

また、しかる場合も、「しかり方」と「怒ること」の区別をつける必要があります。

「しかる」ことは、相手の成長や変化を期待し、しっかりとした目的をもって、相手に対して期待や愛情をもって相手に意見を言うことです。

しかし、「怒る」ことは、自分の不満やイライラを解消するために、その場限りの感情で、相手のことを悪く言ってしまうことです。

必然性がなければ何もしかることはありません。

しかるためにはその目的をしっかりと意識する必要があります。

しかる目的としては、以下のようなことが挙げられます。

(1)後輩のまずい点を気づかせ、成長を促す。

(2)仕事をスムーズに進めるようにする。

(3)お互いの信頼関係を増す。

「ほめる」と「しかる」がきっちりとできれば、指導担当者と新人との間に信頼関係が生まれ、研修をより効果的に行なうことができます。

OJT研修は新人のためだけのものではない

 

OJT研修は、新人を育成する以外にも社内の人材育成に役立ちます。

というのは、OJT研修の講師に2?5年目の中堅社員を任命すると、「学ぶは教ふるの半ば」というように、自分が習得した知識やスキルを相手に教えることで、本当にそれらが自分のものになっているかを再確認し、知識やスキルをより確実に自らのものとすることができるからです。

しかし、OJTの講師は責任重大でプレッシャーがかかるものです。

(2?5年目の中堅社員なら尚更です)

教育・研修担当者も講師に任せっきりにせず、しっかりフォローして、悩んでいたらメンタルケアをしっかりしてあげて下さい。
 

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