インソース執行役員・井東が語る(10)
2009年10月28日

着眼大局、着手小局

執筆者: WEBインソース編集部

「着眼大局、着手小局」という言葉は、いろんな経営書に書かれており、広く知られた言葉です。
この言葉の意味は今更説明する必要もありませんが、「着眼については、大局的視点から着眼し、着手については、足許の小さなことろから着手しなければならない」ということです。

この言葉について異論を唱える人はいないでしょうが、
具体的にどんなことをすればよいのか、どこから始めればよいのかということになると、答えられない人や正しく実行できない人もいるのではないでしょうか。

私が様々な企業と接してきた経験から、中期経営計画をもとに、「着眼大局、着手小局」について、私の考えを述べてみたいと思います。

ここでは、中期経営計画策定が着眼大局であり、その計画達成のための日々の業務遂行が着手小局ということになります。

多くの企業で、3ヶ年の「中期経営計画」が策定されます。
「経営理念」によって、自社はどういう企業でありたいかを明確にし、「中期ビジョン」によって、3年後のあるべき姿を示します。
そのうえで、「全社的経営課題」や「部門別経営課題」を決定し、具体的な「計数計画」に落とし込んでいきます。

経営課題を決定する際には、「SWOT分析」や「経営資源分析」を行い、「自社の強み、弱み」、様々な視点からの経営資源の点検を行います。

こんなことは、私が今さら言わなくとも、企業経営に携わったことのある方々や、経営コンサルタントであれば誰でも言えることですし、中期経営計画を作成するだけならそんなに難しくはないと思います。

それでも、いざ実行となると、うまくいかないことがあります。
実行し始めたのはいいが、長続きしなかったり、作成しっ放しで実行されなかったりということが簡単に起こってしまいます。

その理由は何でしょうか。

私は、会社内に計画を実行する素地がないことに尽きると考えています。
つまり、日々の業務の中で、考えて仕事をする癖がない、仮説と検証=PDCAを行う習慣がない、そんな企業で計画を立てても上手くいく訳がありません。
それではどうしたらよいのでしょうか。

私がPDCAで重視していることに三つあります。

一つは、「朝礼」です。
「おはようございます。」から始まり、「何かありますか。」と司会者が聞き、何もなければ、「本日もよろしくお願いします。」で終わる。
それだけでもいいのです。
一人一人に本日の予定を発表させることができれば、それに越したことはありません。

朝礼は仕事を始める「ケジメ」の一つであると、私は考えています。
「ケジメ」のない職場が良い仕事ができるはずもありませんし、「ケジメ」がPDCAのスタートであるというのが、私の考えであります。

二つ目は、「週間予定表」と「週次ミーティング」です。
私は、たとえ一般職、事務職の社員であっても、部署の全員が「週間予定表」を作成し、各部署の「週次ミーティング」で発表させた方が良いと考えています。
「月間予定表」も必要ですが、チェックするスパンが1ヶ月では長すぎ、
週次が適当な長さであると思います。(もちろん、毎日予定表を作成しても構いません。)

週間予定表のフォーマットについては、先週の結果、今週の予定、納期が記載できるものにします。

「週間予定表」と「週次ミーティング」の何が良いのかというと、社員各自が、自分の仕事の「棚卸」ができ、仕事の「段取り」を考え、「納期」を守るように習慣づけられ、リーダーは部下の仕事を定期的に「チェック」する場を持てることです。
つまり社員もリーダーも、常に考えながら仕事ができるようになりますし、安定感のある仕事の仕方が身につきます。

最後は、週次ミーティングを「3ヶ月継続する」ことです。
3ヶ月間週次ミーティングを継続できれば、あとはスムーズに定着します。
もし継続できなければ、それはリーダーのやる気と能力がないからで、そんなリーダーはリーダーの資格がないと考えます。

厳しめにいえば、3ヶ月間PDCAもできない会社、部署が、「中期経営計画」を作成しても上手くいかない、意味がないということです。

大それた計画もさることながら、足許の業務をよく考えながら遂行することが、企業と社員の足腰を強くしていく最良の手段ではないでしょうか。

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