2009年11月12日

バイアスがかかったもの

執筆者: インソース取締役:大島浩之

世間におけるバイアス

世の中、ものごとの評価においてバイアスがかかったものは少なくありません。

例えば、世間の耳目を集めた衆議院選挙においてもバイアスがかかったものがあります。世論調査の「今回の選挙に行くか?」というものです。

正式な選挙結果の前に出口調査で当確をほぼ正確に出す点には驚きを感じる一方、「選挙に行くか?」の調査結果は投票結果と比較するとギャップは相当なものです。

意識と行動とは違うとか、そもそも「今回の選挙には行くか?」という問いは「選挙に行くべき」という社会規範に賛成か反対かを問うているものだから、当然、賛成が高くなるというものです。“社会規範というバイアス”のために、世論調査結果はある面でゆがめられています。

ただし、このバイアスは第三者的に評価でき納得が得られやすいものです。

あるいは、「自分は太っていると思いますか?」というアンケート調査にも“理想のスタイルというバイアス”が含まれていて、意外な結果が出る代表です。特に女性は顕著ですが、メディアでもてはやされるモデルと比較して太っているかどうかで判断しているようです。

医学的な肥満係数でみれば、やせ気味の人までも「自分はやや太っている」と評価していいるそうです。これも、第三者的に説明されれば、なるほど納得がいくものです。

人材評価におけるバイアス

ところが、自分が当事者として評価すると、バイアスが見えなくなりがちです。

典型的なものとして、人材評価(人事評価)です。

例えば、一度出来ると思った部下については、全般に評価が高くなりがち(ハロー効果)です。

また、「積極的な性格だから、行動力もあるだろう」というように、類似の資質については推測で評価する傾向もあります(推測評価)。

自分を基準にして、自分の専門的事項・分野については基準が高くなり、評価が厳しくなります(対比誤差)。

バイアスに気付くことの重要性

ここで重要なのは、自分がどのようなバイアスを持っているかを少なくとも、まず、気がつくことです。

例えば、余り大きな声でいえませんが、私の特徴は「酒の場を楽しくする人に高い評価をする」という点です。お酒を嗜めない人に対しては不当な評価をする可能性があります。

では、どうしたら自分のバイアスに気がつくようになるでしょうか?

歳を感じるのは、眼からといいます。事実、私なども、近眼に老眼と、視野が狭まってきました。余分なものが見えなくていいや、と第三者的に考えることにしています。見る目に二重のバイアスがかかってきたと客観的に評価しているといっていいかもしれません。

そこで、メガネという矯正器を使うことになります。

あるいは、ゴルフの上手な方で、レッスンプロに定期的にフォームを見ていただく人も少なくありません。自分の鏡として、第三者的に評価していただいているわけです。

仕事でも、自分の言動に対して鏡を持つことです。

ここで“仕事上の鏡”とは、公平な第三者的な立場で評価している人がどれだけいるかどうかです。というより、自分のことを真に思って批判する人が近くにいるかどうかです。

経営者だけでなく、ビジネスパースン全体に言えることだと思います。

ただし、鏡に映る像は、左と右が反対です。どんな立派な鏡でも、完全な状態で自分自身を映し出すことは不可能です。

なにごとにもバイアスは少なからずあるということです。それが、誤差かどうか、自分の頭で考えるのが重要です。
 

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