2010年1月 8日

整理力(4)頭の整理・後編

執筆者: インソース執行役員 井東昌樹

前回(整理力(3))は、頭の整理として、

1.「なぜ?」という疑問を持つ
2.5W1H・6W3Hで考える
3.時系列、流れで考える

の3つについて述べさせて頂きました。

これらはごく当たり前の思考方法でありますが、これらが血肉化されて、日常の業務で自然と使われるには、意識した訓練が必要なことも強調致しました。
今回は前回の続きで、いくつかの基本的な思考方法について記します。

4.2軸(縦軸・横軸、x軸・y軸)で考える

事象・現象のポイントを2軸で考え、図表に落とし込むことで、非常にすっきりした頭の整理が可能になります。ここで難しいのが、どの2軸に着目すれば良いのかという「視点」ではないかと思われますが、いくつかの典型的なパターンを頭に入れておけば、苦労することも少なくなるのではないでしょうか。特に「時間軸」を用いる整理の仕方は、習得すべき必須事項です。

(図1)【営業取引を分析する場合】 (クリックすると大きく見えます)

図1営業取引を分析する場合.jpg

 

私はこの表を、銀行入行3年目で始めて営業に出た時にまず作成しました。攻める先とそうでない先を、「顧客売上高」と「銀行収益」の2軸で明確に区別して営業した結果、預金・融資などの取引が大幅に増えました。
営業コンサルティングではこのことを、

TAM(Total Availability Market)=お客様の全購買量、
SAM(Served Availability Market)=自社の納入量 

と呼び、購買金額が大きく、自社のシェアが低いお客さまには、食い込む余地が大きいことを示します。

5.マトリックスで考える

マトリックスで考えることは、4.の2軸で考えることの発展型と考えても差し支えなく、縦軸、横軸が2層、3層に及ぶ場合などに整理するのに役立ちます。

【PPM(Product Portfolio Management)】

マーケティングを勉強した人なら誰でも知っているPPMです。
製品・商品を、市場成長率とマーケットシェアの視点から、4つのマトリックスに分類したものです。
 
(図2)【PPM】(クリックすると大きく見えます)

 図2 PPM.jpg

6.層別で考える

層別で考えるとは、一つの事項・事象から、内容をブレイクダウンしていくことです。「特性要因図」、「ロジック・ツリー」や、報告書や通達などを書く時の「大見出し」・「中見出し」・「小見出し」は、この類に入ります。

(図3)【営業戦略を考える】(クリックすると大きく見えます)

 図3営業戦略を考える.jpg

営業戦略をどのような視点で考えるかということですが、「どこで戦うか」、「どうやって戦うか」の2つしかありません。「どこで戦うか」については、顧客を、「既存」と「新規」に分け、「どうやって戦うか」については、「案件攻略」と「関係構築」に分けています。 

(図4)【経費削減を考える】(クリックすると大きく見えます) 図4営業戦略を考える.jpg

社内経費を削減する場合、経費項目を列挙し、次に、各々の経費項目の削減内容を列挙します。削減内容について、その具体的方法と削減効果を挙げて、具体的なアクションにとりかかります。
私は企業再生に長く従事していたため、経費削減に取り組む機会が多かったのですが、経費削減に留まらず、経営課題の列挙についても同様の手法を用いていました。(こんなことはやらないに越したことはありません。。。)

以上、2回に分けて、頭の整理について主要な6つの思考方法を記してきました。
皆さまも気づかれたと思いますが、私は何一つ難しいことは述べていません。まだ他に挙げることも可能ですが、以上の6つの思考方法が日常の仕事で自然にできるようになれば、仕事上で困ることはほとんどなくなると思います。
高校の数学を思い出して下さい。数学の公式とその使い方を憶えれば、難解な問題は除くとしても、通常の問題であれば解答に導けます。
頭の整理の仕方、ロジカルシンキングは高校の数学と同じであり、
「基本」を身につけ、その基本をいかに「使いこなせる」ようになれるかが、一般的なビジネスにおいては最も重要です。

整理力(1)身の回りの整理整理力(2)仕事の整理整理力(3)頭の整理・前編
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