2010年1月19日

研修内製化をどのように実現するか

執筆者: WEBインソース編集部
IMGP7199.jpgのサムネール画像

研修内製化の難しさ

コストをかけない、また、自身の会社に相応しい教育を考えていく上で、研修の内製化は有効な手段である。
しかし、内部で教育をするといっても、そう簡単にできるものではない。
研修の内製化には、様々な困難が伴う。

当社調査によると、OJTが現場で上手くいかない理由として最も多かったのが 、「忙しくて時間がない」というもので、次に「教わる側の意欲が低すぎる」、「何を教えるべきか分からない」と続く。

このように、日常業務なのだから、やすやすと現場で教えられるというわけではない。そのことをまず経営側が認識し、準備が必要であることをしっかりと認識しておくことが不可欠である。
次に実際の成功例として、研修の内製化を実現したトヨタの実例を紹介する。

トヨタの事例

トヨタは、日本の大手企業の中で、最も熱心に内部人材による教育を推進している企業である。

同社には、研修を内製化すべき必然的な理由が2つある。
1つめは、同社は業界のトップ企業であり、他に手本となる事例がなかったということ。
2つめは、伝統的な経営者、技術者を多数輩出しているように、伝統の継承が成長の鍵となっているため、外部の人間が関わることが難しいということである。

トヨタは、まず「トヨタウェイ」とよばれる教育理念を掲げた。
次に、「トヨタインスティテュート」という教育のための専門組織を設立し、プロ人材を育成する為のプログラムを作成した。

これは、成長の目標が例えば、「○年目までに××ができるようになる」などというように具体的に示されている。

このようにして行われたトヨタの人材育成であるが、特に優れている点が3つある。
1つめは、教育理念を明確にしている点。
2つめは、教育体系をきちんと決めている点。
3つめは、到達目標を明示している点である。

これらのことは当たり前のように感じられるかもしれないが、実際には、多くの組織が実践できていない。

インソースの考える、研修内製化ですべき5つのこと

研修内製化にメリットは大きいものの、なかなか実現することは難しい。
それでは、各企業はどのようにして内部人材による育成を実現していけばよいか。
そのことについて考える一助となるように弊社がどのように研修の内製化を支援しているかについてご紹介する。
弊社では研修内製化のために、5つの準備が必要であると考える。

 研修内製化の5つの準備

 1.トレーナーの指名

研修内製化の方法としては、組織内にトレーナーを多数育成し、ミニ集合研修を多数実施することが有効である。

ミニ集合研修とは、中堅社員がトレーナーとなり、若手4?5名に対してそのトレーナーが1名つく研修形態である。
そのミニ集合研修のトレーナーとなるべき将来の幹部社員候補や後輩を指導させることで中堅としての自覚を植えつける。
事前にその幹部社員候補を厳選する必要がある。

2.教えるべきことの明確化

研修内製化においては、具体的で分かりやすい目標を提示するということが大変重要である。
ところがたいていの企業は漠然とした基準しか設けていない。
明確化のために有効なのが、スキルマップの作成である。
作成の手順は次の通り。

まず、必要なスキルや知識を洗い出す。次に、それらのスキルを種別、時間軸で分類する。最後に、このスキルマップを基に、いつ、どのような手法(集合研修、ミニ集合研修、OJT、自己啓発など)でスキルを身につけさせるかを決めるのである。
このスキルマップをベースにして、例えば、「3年目には都内会議の司会ができる」と言う風にスキルを定義していく。

<スキルマップ記入例>

スキルマップ記入例.jpg


3.トレーナー自身の育成

計画に基づき若手を指導していくため、トレーナーに効果的な指導・研修方法を身につけさせる必要がある。

4.指導用テキストの準備

決して難しく考える必要はなく、今の業務をマニュアル化するところから始めればよい。

5.現場指導内容の体系的把握

人事・研修部門で「誰に、何を、どれだけ」教えたのかを把握できないと、育成に濃淡ができてしまう。
各々の学習履歴を集中管理し、把握することが重要である。

ミニ集合研修のすすめ

先述したとおり、ミニ集合研修とは、中堅社員がトレーナーとなり、若手4?5名に対してそのトレーナーが1名つく形態による研修である。

現在の若者の特性を鑑みると、この手法は非常に有効である。
なぜなら、現在の若手は座学が得意だからである。
逆に言うと、座学でなければ、すなわちOJTだけでは学んだ気にならないからである。
したがって、このような集合研修をOJTに加えれば、更に深く身につけさせるべき業務を理解させることが可能となる。
また、集団で教えることのメリットとして、受講者は互いに連絡を取り合うため、容易にスキル・ノウハウが定着する。
またトレーナー側のメリットとしては、5名程度の少人数であれば教えやすく、当然ながら、1対1のOJTを実施するより組織全体のOJT負担が軽くなる(一人ひとりが教えていれば、組織全体で5倍の時間が必要となる)。
是非、お試し下さい。

  

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