2010年1月19日

民間企業における人材育成の変遷

執筆者: インソース代表取締役:舟橋孝之

リーマンショック前の人材教育ブーム

失われた10年が明けた直後の好景気下では、人材教育がまさに「ブーム」となっていた。
当時は、それまで採用を抑制してきたため、特に中堅層の社員・職員が不足していた。
そのため、大量に採用した新人・若手をいち早く「使える人材」へと育成する必要があったので、20代の若手向けの研修に高いニーズがあった。
また、能力の高い社員の流出を防ぐため、「選抜教育」「MBA教育」などのような、高度な教育体制の充実も図っていたのが特徴。
また、教育分野でも「スキルは自分の自己責任で身につけるべき」という、自己啓発ブームでもあった。

リーマンショック以降は、人材教育も大幅に変化

ところが、いわゆるリーマンショック以降、人材教育の状況も一変する。

企業の人材教育に対する意欲は、大幅に低下し、売上が低迷する中で、不要不急の教育費は削減の対象となった。(交際費、交通費、教育費は3Kと呼ばれ、不況時には真っ先に削減される傾向にあり)
しかし、だからといって社会人教育、社内研修が全く行われなくなったわけではなく、あくまで削減であり、組織によってはむしろ教育・研修を強化したところもあった。
要は、教育研修内容、費用を吟味して実施する様になったにすぎない。

現在の人材育成の3つの特徴

現在の人材育成の状況には、次に挙げる三つの特徴がある。

一つめは、組織力強化のため、階層別教育が見直されていること。
これまでは、先ほども述べたように、グローバルスタンダード(アメリカ流?)にあわせ、個人スキル強化、自己実現支援に力点がおかれていた。

しかし、経済環境が悪化した現在は、研修の目的を組織強化、組織の成果拡大を第一に考える方向に変わってきている。
「この危機を組織一丸となって頑張っていこう!」という研修が増えている。
その結果、最も即効性が高いと考えられる管理職研修が注目されている。

二つめは、多様な人材を強化していることである。
現在は、再雇用高齢者やアルバイト、女性管理職向けなど、雇用形態や性別の違いに関わらず、強化していく研修が求められるようになった。
多様化を推進する風潮はもちろんのこと、世界を相手に生き残っていくためには、これまでのように正社員の男性だけが努力するままでは太刀打ちできないということも大きな理由であると考えられる。

三つめは、「研修を内製化したい」というニーズが高くなっていること。
以前のように、高いコストをかけて研修を外部に委託することは難しくなり、その代わり、手がかかってでも内部で教育し、コスト削減と現場強化を同時に実現しようとしている。
また、先述した組織力を強化していくという風潮にも、研修の内製化はマッチしている。
これまでのように、外部の人間による自組織に適合しているかどうかわからない、「流行の教育」を行うのではなく、内部の人間が自分の会社の丈にあった研修をしていくことで、会社の組織力も強化されていくと考える様になったためである。


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