2010年1月28日

クレーム対応の勘所(1)

執筆者: WEBインソース編集部

クレーム対応で大事なこと

最近、理不尽ともいうべきクレームが多くなったという声をよく耳にします。
そして、対応を誤ると、執拗な嫌がらせを受けたり、ネットで中傷されたりして、優良な顧客から敬遠されるケースも少なくないとか。

クレーム対応では、お客様の要望を言いがかりだと決めつけたり、相手を思いやる一言が足りなかったりしたために、大事になることが少なくありません。
ことばにちょっとした配慮を欠いたために相手を怒らせてしまうなど、本当に些細なミスが原因になるのです。

クレーム対応で大事なことは情況に応じて、うまくお客様の言い分を聞き出し、適切に解決策を説明すること、そして怒りが解けてお店のファンになっていただければしめたものです。

クレームトラブルを引き起こす人の3つの共通点

クレーム対応が上手にできない人には、以下の3つの共通した問題点があります。

1.お客さまが困っている事実に対して、「お詫びができない」
2.お客さまのクレームを最後まで聞かず、「言い訳をしてしまう」
3.どんなクレームが発生しているのか、「事実の確認ができない」  

以下、それぞれの対応例とその改善法について、みていきたいと思います。

1.まず、ご不便をおかけしたことをお詫びする

お客様:「工具の振動がひどくて、手がしびれる。なんとかしろ!」

お店側:「前もって、少しの振動があると説明したはずですが・・・」

よくあるケースです。
この場合、「お詫び」をするといっても、「全面的に非を認めて謝罪せよ」という訳ではありません。
お客さまが、自分の商品・サービスに関連したことで「お困りである」という事実に対して、まずはお詫びするのです。
「この度はご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げられれば、お客様は「自分のことをしっかりと考えてくれている」と感じます。
まずは、お客様の心情を理解することが、クレームの解決を早める最適な手段です。

2.しっかりと3分間お客様の話を聞く

お客様:「道具を使っている時に突然止まってしまった。
おかげでせっかく作っていた材料が台無しだ。施主には明日の夕方に完成するといっていたのに・・・」

応対者:「(お客様の話をさえぎり)お客様、何時間も連続してお使いではないでしょうか?説明書は読まれましたか?説明書には、この商品は長時間連続使用するとオーバーヒートして、時にはダウンすることがあるという注意書きがございます」

このように、お客さまの話を最後まで聞かずさえぎってしまったり、「言い訳」や「説明」を始めてしまったりしがちです。
あるいは、黙って話は聞くが無反応、無表情などという方もクレームを起こしてしまう可能性が高くなります。

当たり前のことですが、クレームを寄せてくるお客様は「怒って」います。
そのお客様に対して、自分の立場を主張したり、間違いを指摘するのは誤りです。

しかし、実はこの重要なポイントが意外に軽視されがちです。

「どうも私はクレーム客に会いやすいような気がする」
「私はお客さま運が悪い!」

このように、1度ならず2度、3度とクレームにあう方は、無意識のうちにお客さまの意見・意向の間違いを指摘したり、即座に反論をしてしまって、お客様の気持ちを逆なでしていることが多いものです。

実は、お客様の話を聞かない対応こそが、クレームを大きくする元凶になっているのです。

お客様の話は、最低でも「3分間」は聞くようにします。
お客様は「自分の身にどのようなことが起きて、そのことでこんなに困っている」ということを対応者に伝え、共感してもらいたいと思っています。
クレームを受ける側にとっては小さなことと感じられるかもしれませんが、お客様にとっては「大きな」「大切な」ことです。
お客様の話はほとんどの場合、3分以内で終わってしまいます。
少し我慢して聞いてください。そうすると、お客様も話すうちに、頭の中がだんだん整理されて、徐々に気持ちが晴れてきます。
また、話をしっかり聞く姿勢を見せることで、お客さまとの間に信頼関係が生まれ、最小の時間でクレームが解決へと向かいます。

3.お客様の話をよく咀嚼し、お客様の立場で解決策を提示

(10時20分すぎに、激しくお怒りのお電話が入る)
お客様:「昨日頼んだ工具がまだ届かない。10時に持ってくるはずだぞ。どうしてくれるのだ!」

店員:「はい、申し訳ございません。大至急お持ちいたします。いつごろまでにお届けすれば大丈夫でしょうか?」

お客さま:「11時までなら待つ。早くしてくれ!」

店員:「かしこまりました」
(その回答に店員は慌てて対応し、10時50分に注文の品ををお客様に配達)

お客様:「だれがここへ持ってこいと言った!作業場に届けて欲しかったんだ。もういいよ!まったく、人を馬鹿にしやがって」
(お客様の怒りはさらに高まる)

このケースでは、なんとか早くクレームから逃れたいために、事実確認が不十分なうちに「解決策」を提示してしまったことが一番の問題です。
「どこに」届けたらよいかを、慌てずに、「通常通り」確認できれば、このクレームは大きくならずに済んだはずです。

このように、クレームを受けた際、一次対応者が慌ててしまい、お客さまが何を望んでいるかをしっかりと把握できないことが実によくあります。
当然、事実確認がきちんとできないと、クレームは解決できません。
しっかりとお客さまの話を「聞くこと」は「事実確認」の意味でも大切です。
事実を確認した後は、相手に「解決策」や「代替案」を提示することになります。
ただし、その際もこちらから一方的に提案するという形ではなく、「お客さまのご事情も大変よく分かりました。
それでは早速○○とさせていただきたいのですが・・・」というように、あくまでお客さんの側に立って話を進めているという姿勢を見せて下さい。
「解決策」を提示する場合は、社会通念上、おかしくない範囲で、最大限「誠意」を見せるのです。
自社に非があった場合は、深くお詫びをしたり、新しい商品と取り替えるなど補償を行う必要があります。
また、自社に非がない場合や解決策を提示できない場合に、お客さまに「お断り」をする際は、日常で使用する「分かりやすい言葉」で(業界用語・専門用語ではなく)、お客さまが納得されるまで粘り強く説明を行って下さい。

言ってはいけない言葉

どうしても「お断り」しなければならない際に、言ってはいけない言葉は、「会社で決まってますから」「前例がありませんから」というものです。
あるいは、「うちの商品に限ってそのような欠陥は絶対ありません。お客さまの使い方が悪かったのではないでしょうか」といった回答も自社を思ってのことでしょうが、逆効果です。

これらは、いわゆる「供給者の論理」で、お客さまの「怒りの炎」に油を注ぐような回答です。
もっとも、現場ではついこうした回答をしてしまいがちですが、気をつけましょう。

 

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