2010年1月28日

クレーム対応の勘所(2)

執筆者: WEBインソース編集部

クレーム対応のイロハ(1)は、クレームトラブルを引き起こす人の共通点とそれを防ぐための心構えについてお話ししました。
今回は、もう少し具体的に、クレームをこれ以上大きくせず、お客様にご納得いただいて解決するために必要な応対の基本手順についてみていきたいと思います。
この基本手順は、クレーム応対を行う際のフレームワーク(枠組み)であり、どのようなクレームでも手順がクレーム応対を進める際の基本となりますので、是非マスターして下さい。

「心情理解」⇒「事実確認」⇒「解決策の提示」

クレーム応対を行う際は、必ずお客様の話をじっくり聞いて十分に「心情理解」をした上で、「事実確認」・「解決策の提示」を行うのが基本と言われています。
お客様の話を途中でさえぎってこちら側の話をはじめたり、お客様の大変であるというご事情をよく理解せず、「よくあることですね」とクレームの内容を一般化してしまうとそれだけでクレームが大きくなってしまいます。
「まず最初に、お客さまの話をじっくりと聴き、心情理解を行う」ことは、クレーム応対で最も重要なポイントです。
以下、それぞれの手順についてみていきたいと思いますが、今回は「心情理解」の方法について詳しくみていきたいと思います。

基本手順1:クレームの応対をする前に

まず、実際に「心情理解」からクレームの応対をはじめる前に、「組織を代表しているという意識を持ち、行動する」という認識が必要です。
クレームは自分個人に対して寄せられるものではなく、組織に対して寄せられるものも多くあります。
例えば、突然のクレームに驚き、つい以下のような応対をしてしまいがちですが、自分は当事者ではないという無責任な態度は、お客様の気持ちを全く汲んでおらず、組織の一員として取るべき行動ではありません。
お客様のお申し出に対し、自分は関係ないという態度は絶対に許されません。自分が直接関与していないことでも、同じ組織の一員として対応するのが基本です。

基本手順2:「お客さまの話を聴く」・「誠実に対応する」

(1)クレームには誠実な態度で臨む

クレーム対応でやってはいけないのは「言い訳」や「言い逃れ」です。
適当な応対を行って1回目は取り繕うことができても、2回目は通用しません。
お客様は、自分が言いくるめられたと会社に対して不信感を持ち、会社に対する信用を失うことになります。
クレームに応対しているときは苦しくても、長期的に関係を良好に保つためには、その場を取り繕うようなことはやめましょう。

(2)相手の「心情を理解」し、話を「聴く」、そして、「気持ちを鎮めていただく」

クレームを寄せてくるお客さまは「怒って」います。
そのお客さまに対して、自分の立場を主張したり、お客さまの間違いを指摘するのは早計です。
クレームを受ける側にとっては小さなことでも、お客さまにとっては「大きな」「大切な」ことです。
まずは、最低3分間じっくりと話を聞きましょう。
話を聞くうちに、お客さまの頭の中もだんだん整理され、徐々に気持ちが晴れてくることが多いです。

(3)お客様のお話を聴くポイント

・「あいづち」と「うなずき」は相手に「承認された」という意識を芽生えさせます。

「はい」「よくわかります」「ごもっともです」・・・など、お客様の話は黙ったままではなく、「あいづち」や「うなずき」を入れながら聞きましょう。お客様が自分の話をしっかり聞いているという印象が強くなります。ただし、うなずき過ぎは逆効果ですので気をつけましょう。

・「復唱」でお客様の話を理解していることを示す

「復唱」は、お客さまの話の確認だけではなく、相手のことばの一部(キーワードになる言葉)をそのままお客さまに投げ返すことで、相手に「聴いていますよ」という同調や共感の心情を表す意味もあります。

例えば、お客様が「○○が×個届いてないんだけど」と仰ったら、「ご迷惑をおかけいたしております。○○が×個お届けされていないということでございますね」と答えるとお客様も自分の話を理解していると安心します。

・「間」の取り方

大事なことを言う前後に「間」をとると、聞き手の注意を引きつけることができます。
質問を投げかけた後に、お客様に考えていただく「間」を作りましょう。
一つの区切りができて、冷静に内容を反すうしていただくことが可能になります。

・「クッション言葉」を使用する

クッション言葉は、相手への心遣いを表すやわらかい表現をすることによって、相手にとってその内容を受け止めやすくする、その名のとおりやわらかな“クッション”の役目を果たすことばです。
クレーム応対の際は、お客様が冷静ではない場合が多いので、「クッション言葉」の活用が必要に効果的となります。
「クッション言葉」の種類はたくさんありますが、よく使用する以下のものをマスターしましょう。

・お客様にご協力を仰ぐ場合、お手を煩わせる場合
→「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」

・お客様にお名前など個人的なことをうかがう場合
→「お差支えなければ」「もしよろしければ」「恐れ入りますが」

・お客様に申し上げにくいことを言う場合
→「お客様申し訳ございません。あいにく・・・」

・こちらから何か提案をする場合
→「もしよろしければ」

・お客様の言葉が聞こえなかった場合
→「恐れ入りますが」

基本手順3:事実の確認をする

お客様の「心情理解」を行った後は、クレームが発生した問題やお客様の求めるご要望を明確にする必要があります。
お客様に事実確認を行う際は、お聞きした情報をしっかりとメモを取る必要があります。
そのポイントは以下の5点です。

・いつ、どこでトラブルが発生したか?
・どんな事が起こって、何に対して不満を感じていらっしゃるのか?
・誰が不満を持っているのか?
・問題点は何なのか?
・当方に対して、どうしてほしいと思っているのか

また、断片的な話をまとめないまま残しておくと、後々、誤解の元となります。
お客様のお話を聞いた後は、すぐにそのメモを文章に起こして再構成し、話を必ず整理しましょう。

基本手順4:代替案・解決策の提示

 事実を確認した後は、対応策を検討の上、なるべく早く、相手に「解決策」や「代替案」を提示することになります。
ただし、その際もこちらから一方的に提案するという形ではなく、以下のことに気をつけて、「会社・組織の倫理」ではなく、あくまでお客さんの側に立って話を進めているという姿勢を見せて下さい。

組織の論理を持ち込まない

×「弊社の規定ではこうなっております」
×「前例がありませんし」
×「ただいま担当者は食事中で、○時○分までおりません」
×「ただいま○○は会議中です」
×「どうかご内聞にしていただけないでしょうか」

 

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