2010年2月10日

管理職のためのホウレンソウ(2)

執筆者: インソース営業本部長:井東昌樹

管理職のためのホウレンソウ(1)では、管理職が部下にどのようなホウレンソウをさせたらよいのかというポイントを述べさせて頂きました。

今回は、管理職が上司に対してどのようなホウレンソウをしなければならないのか、組織の中でどのような立ち振る舞いをすべきなのかという視点で述べさせて頂きます。

管理職の上司と言えば、係長にとっては、課長、次長、部長、役員で、課長にとっては、次長、部長、役員ということになります。

ここでまずもって留意すべき点は、管理職は上に行けば行くほど、忙しくなるということです。部長、役員クラスとなると、役員会、部長会、案件会議、取引先訪問などで、過密なスケジュールとなっています。実務がないからといって、部下から出てくる稟議や案件を机に座って待っている訳ではありません。

そんな忙しい方々に上手くホウレンソウし、段取りが良くてデキル人と思われるには、それなりのコツがあると思います。

スケジュールを予め押さえておく

当たり前のことですが、上司の机上のスケジュール表やパソコン上でのスケジューラーを小まめに確認する、あるいは秘書に確認するなど、大事なホウレンソウをするタイミングを押さえることです。

「そろそろ帰るぞ。」と部長、役員が言った途端に、「ちょっと待って下さい。」なんて言おうものなら、「何でこんなタイミングで言うんだ。タイミングが悪すぎる!」なんてことになりかねません。これだけで、段取りの悪い奴というレッテルが貼られてしまう可能性もあります。

要点をつかんで簡潔明瞭にホウレンソウする

管理職クラスに求められる能力要件として、大きく2つ(ないしは3つ)あると、私は考えています。一つ目は「概念化能力」、二つ目に「対人関係能力」、3つ目をあえて挙げるとすれば、「実務遂行能力」です。

忙しい上司に対して、簡潔明瞭に文書が作成され、口頭でホウレンソウされるためには、「概念化能力」が具備されていなければダメです。一般社員が課長、係長にホウレンソウするのとは、訳が違うことを認識しなければなりません。ホウレンソウにおける概念化能力は、「要約力」と言い換えることができます。その際伝えたいポイントを、1分程度で説明できることが目安になろうかと思います。(文書にすれば、200字程度の要約文です。)また、どんな大きな案件であろうとも、その要点は、A4ないしA3用紙1枚でまとめられなければなりません。

この概念化能力は、管理職になって初めて身に付ける能力ではなく、管理職になる前には相応に習得しておかなければならない社会人の必須能力であります。

組織を動かす根回しが巧みである

一部署だけで完結する案件であれば、直属の上司とやりあっていれば十分ですが、管理職ともなると、複数の部署が関与する案件をまとめなければならないことも多々あります。この手の案件となると、若い担当者に任せきりにはできなくなるので、管理職自らが動かなければならなくなります。

根回しは組織の悪ということも耳にしますが、組織を動かすためには、組織内での事前の準備、ホウレンソウ=根回しは必要不可欠ではないかと思います。事前に何のコミュニケーションもなく、いきなり会議で検討、決議なんて、ほとんどありえないのではないでしょうか。効率的な会議運営のためにも、事前の準備は当然必要になります。

根回しにおいて留意すべき点は、以下の点が挙げられます。

1.関与する組織を漏れなく挙げられる(会社の組織をよく知る)

管理職ともなると、自部署だけでなく、社内の各組織がどんな業務をやっているのかは最低限知らないと、自分の仕事になりません。

2.他部署の担当者、キーパーソンとコミュニケーションができる

その上で、他部署の担当者、キーパーソンの人とコミュニケーションできること、つまり、「この人は何だ。」と思われない位の人間性を持ち合わせていないと、優秀な人であっても、周囲の協力が得られにくいのではないかと思われます。

3.他部署(その担当者など)の業務の背景を知る

自分の都合だけで他人は動かない訳ですから、相手の都合もよく理解してやらないといけません。よくある例として、豪腕な営業担当者が、製造の背景も知らずに、納品日をお客さまと決めて、周りに散々迷惑をかけてしまうことが挙げられます。こんな人には、いくらその人が営業成績抜群でも、周囲は協力してやろうという気になりません。

4.根回しの順序を間違えない、社内の人間関係に注意する

複数の部署に根回しする場合は、その順序が大切になる場合があります。「なぜあいつより俺への連絡が後なのか。勝手にやってくれ。」なんて言う人も実際にあります。

直属の上司と相手方の上司の仲が悪い場合は、「あいつが賛成なら俺は反対だ。」みたいに、子供じみたことを言う人もいます。そんな時には、外堀を固めてから反対派を説得ということもありえます。

こんなことで振り回されて、時間の浪費につながるから、「根回し」がネガティブに捉えられる最大の原因だと思われますが、こんなことが往々にして起こるのも、組織の悲しい現実ではないでしょうか。

5.上司の機嫌の良いときにホウレンソウする
上司の機嫌の良し悪しで、ホウレンソウの効果は大きく違います。上司の顔色を伺い過ぎるのもどうかなとは思いますが、急を要しない案件のホウレンソウは、上司の機嫌の良い時に行ったほうが得策です。
 
以上で管理職のホウレンソウを締めくくりたいと思いますが、自分も管理職である立場でありますので、改めてホウレンソウには気をつけねばと感じた次第です。


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