2010年2月22日

人材育成計画、研修体系を考える(1)

執筆者: インソース営業本部長:井東昌樹

最近お客さまから、人材育成計画や研修体系をどのように策定したらよいのかというご相談を受ける機会が増えてきました。

その理由としては、弊社が研修内製化や研修効果測定に関するセミナーを開催していること、弊社が研修体系や人材育成計画の構築支援もやっていると宣伝していることなどが挙げられますが、大枠、フレームワークから考えることに悩んでいるお客さまが潜在的に非常に多いのではないかと感じています。

そこで今回は、人材育成計画及び研修体系構築にあたっての基本的な考え方について、簡単に述べさせて頂きたいと思います。
特に、人材育成について、まず押さえておくべき基本的かつ最も重要なポイントについて述べさせて頂きます。

経営トップが人材育成を真剣に考えていること

研修担当者がどんなに立派な人材育成、研修体系について企画を立てても、経営トップが人材育成について真剣に考えていなければ、ムダ・徒労に終わってしまいます。

この点は、人材育成について、絶対にはずしてはいけないポイントではないかと思います。

人材育成、研修をしっかり行っているお客さまに、うまくいっている理由を尋ねると、共通して返ってくる答えは、「社長が人材育成に非常にうるさい」とか「社長が人材育成に真剣に取り組んでいる」というものです。

また最近、今をときめく非常に有名な上場会社の役員幹部勉強会をお手伝いし始めたのですが、社長自らが出席し、参加している役員幹部も非常に勉強熱心で、活気に満ち溢れています。
社長自らが学ぶ姿勢が強く、役員幹部も学ぶことの楽しさを知っているのだなあと、私自身が勉強会の場にいて、ひしひしと感じます。

以上のことから、人事担当者、研修担当者の最大の役割は、研修をうまく行うことも然ることながら、 経営トップに人材育成の重要性を認識させることではないかと思っています。

人材育成手法をよく理解すること

研修担当者にとっては、研修を企画して実施すること、研修効果を最大化することが自分の役割でありますが、研修なんて所詮、人材育成の「手段」であると考えなければなりません。

人材育成の方法論については、以下の4つが挙げられます。

1.OJT・・・日常の業務を通して育成する
2.OFFJT・・・研修、勉強会を通して育成する
3.自己啓発・・・自分で学ぼう、勉強しようという気持ちがないと成長しない
4.ジョブローテーション・配置・・・様々な業務を通して、様々な知識・スキルを習得する、会社全体を包括的に理解する、将来の幹部を育成する。スペシャリスト育成には、特定の部署で知識・スキルを極めさせる(いわゆる複線化人事制度)

この中で最も大切なのはやはり、OJTによる人材育成です。
「人材は最終的に、OJTでしか育たない。OFFJTはOJTの補完機能にしか過ぎない。」と、理解すべきです。

それでは、OJTで最大の効果を生むものは何かといえば、私は迷わず「PDCA」と答えます。

以前もメルマガで、PDCAについて述べましたが、PDCAの本質は、管理職のためのマネジメントツールであり、社員一人ひとりにとっては、「考えながら仕事をするクセ」をつけさせる最良のツールです。
PDCAの基本は、日次・週次で計画を立て仕事をすることであり、それを習慣化させることに最も力点を置くべきです。

<ご参考>PDCAの本質とは?

とは言えど、座学で学ぶことも非常に大切なことです。
OFFJTは、普段の業務では学べない知識・スキルを学ぶ、業務で得た知識・スキルを整理・体系化する、他の受講者から学ぶ・情報を吸収するなどの点で、その効用は非常に大です。

自己啓発に関しては、会社がその環境を整備してあげることが大切ですが、そこまでできない場合は、研修とまではいかないまでも、部署内での勉強会を開催し、参考図書を紹介するなどの工夫が必要です。
その後は本人次第ということになるのでしょうが、性悪説に立てば、自発的に勉強する社員は少なく、人事担当者が強制的に枠にはめることも必要になります。

私は弊社の営業にも言っているのですが、アウトプットする前にインプットがないとダメ、つまり、本を読むとか、通信添削で勉強するなどによって自発的にインプットしなければ、将来的な成長は見込めないと思っています。
しかも基本的なインプットは、35歳までにすべきです。
そこまでインプットしてこなかった者は、その後新しいインプットは難しくなってきます。年齢的な問題とそれまで勉強するクセがつかなかった者は一生勉強グセが身につかないことがその理由です。(もうじき43歳になる私は、自分の過去を振り返ってみて痛感しています。もっと勉強しておけばよかったと・・・)

以上のことから、人材育成、研修体系を考えるにあたっては、OJTを基本とし、OFFJTをその中にいかにうまく組み込むかという視点で考えることが大切です。

そのような視点で考える場合は、どんな知識・スキルをいつまでに習得するのか、各階層・各部署に必要な能力(コンピテンシー)にはどんな能力があるのか、必要な能力をどの程度の時間軸で考えるのか、人事評価制度(目標管理制度)とのリンクをどう考えるのかなどを、具体的に考えなければなりません。

 

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