2010年3月 9日

管理職300名に聞いた「部下指導の悩み」とは?/ビジネス文書作成7つのポイント

執筆者: WEBインソース編集部

「部下指導の悩み」管理職300名アンケート

部下をもっている上司の方は、大小を問わず、誰しも指導に関する課題をお持ちのことと思います。弊社では、管理職向けの研修を実施させていただく際、前には、受講者の方々に事前アンケートを行っています。
そのうち、「部下とのコミュニケーションや指導において、『苦手なこと、ちょっと自信がない』というのはどんなところですか?」という質問に関して、300名分のアンケート結果をまとめたものが以下の表です。
 

部下指導の悩み.jpg


このデータを分析すると、

・部下に適切な指導ができない(?)
・強いリーダーシップがとれない(?)
・部下との接し方がわからない(?・?)
・部下の視野を広げたり、自発的に行動させるよう促せない(?)

という以上の4点が、現在管理職の方が抱えている主な悩みだと分かります。

そこで、これらの悩みを解決するために、コミュニケーション・部下指導方法の1つとして、「文書指導」をご紹介したいと思います。

「文書指導」が有効な理由

「文書指導」が有効な理由には、以下の3点が挙げられます。

・“事実”を基にコミュニケーションをとるため、スキルの個人差や部下との相性などの問題がそれほど気にならなくなる
・文書指導が成功すれば、組織や管理職の判断基準を部下と共有できる
・部下が文書を上手に書けるようになると、結果的に報告能力が高まり、仕事の手順も効率化され、業務遂行能力が向上する

管理職の方々は、日頃、部下の文書をみて、「いったい何を言いたいのかわからない」「長いだらだらとした文章で、要領を得ない」「果たして、この部分の説明は必要なんだろうか」という疑問も日々お持ちのことと思います。文書指導は、ポイントを踏まえれば、簡単で、コミュニケーションが苦手と感じる方でも、適切に実施できます。また、文書指導は、指導効果の即効性も高く、管理職・部下の方ともに、モチベーションが上がります。

 

ビジネス文書作成の基本

以下、文書指導を行うための、作成の基本についてみていきます。

1.相手の立場に立って書く
ビジネス文書では、自分の「言いたいこと」を書くものではありません。あくまでも、相手の立場に立ち、相手が読みやすい(求める)文章であることが必要です。ビジネス文書は、「自分」のために書くものではありません。文章を読むのは大半が自分より“目上”の存在です。目上の方に分かりにくい文章を読ませて、無駄な時間を使わせることは許されません。目上の方は大変「忙しい」ですが、そのような方々の文章の読み方を見ると、
(1)まず、「表題」を読み、「案件」の内容をおおまかに理解して、結論とその理由(根拠)を把握する
(2)さらに読む必要がある場合(新しい案件、不安な案件など)、最初の2?3行でさらに具体的な内容を把握する
「この間約1分間」というのが実態ではないでしょうか。よって、形式、内容共にこの読み方に合わせた文章に仕上げる必要があります。

2.誰が読んでも読みやすい構造にする
ビジネス文書の構成では、まず「結論」から書きます。
次に「理由」や「経過」、最後に自分の「意見」を述べます。
要するに、文書の結論が、最初に示されていることが必要です。
読み手は、まず結論をみて、その内容が自分の価値観や判断軸に合致していることを確認し、読む価値があるかどうか、重要かどうかを判断しています。
さらに、文書の重要性や緊急度を認識した場合は、先の内容まで読んで次の行動につなげていきます。
つまり“読まれ方”にこそ、優れた文書構造のヒントが隠れているのです。
その構造とは、次の3段階に分かれています。

(1)標題(15字?20字)
(2)内容要旨(文書で伝えたい要旨、50字程度×3)
(3)詳細内容(「内容要旨」の具体的説明

文書の構造.jpg

(1)→(3)に行くほど詳細な説明となります。
逆に、(3)→(1)に行くほど内容が要約されることになります。
文書の構造を理解することで、“読み手にとって価値のある”“頭にすっと入ってくる”文書を書くことができます。

3.「書き手」の立場を明確にする
部下や後輩に文書についての指導をするためには、ビジネス文書作成の基本を知ることです。
これにより自信を持って指導ができます。
ここで改めて「書き手」であるあなたの立場を考えてみましょう。
「読み手」を意識していくことは、一方で「書き手」である自分の立場を明らかにすることでもあります。
書き手の立場を常に意識することで、ぶれることなく同じ目線で書けるようになります。
書きながら、都度“相手はどのように読むだろうか”と自分の姿勢を振り返ります。これが、文書を書くときの練習になります。

4.一文は40字?50字程度の短文で
忙しい読み手が読みやすいと感じる“見た目”も重要です。
「標題」を読み、これは読む価値があると判断し、文書の内容を把握する上での理想的な文字数があります。
1分程度の短い時間ゆっくり声を出して読める分量、すなわち全体で200文字程度です。
声を出して読むとは限りませんが、全体の内容を把握するために必要な時間、有効な文字数の目安です。そして、4?5文を構成すると、理解しやすくなります。
朝日新聞の大型インデックスがとてもよい例です。
こちらは、さらに短くて200文字の半分の100文字程度となっています。
その100文字の中で、その日の記事内容を紹介しています。
時間のない読者が、重要な記事は何かを判断し、内容を把握するために大いに役立っています。
もちろん、1文も40?50字程度が基本となっているので、確認してみてください。

5。主語と述語の一貫性を保つ
文書の中で、「行動」や「要求」は重要ポイントです。
そこでは“「誰」が「何」を”という関係が一目でわからなければなりません。
40?50字の短い文の中で、主語と述語がはっきりわかることが大切です。
小学生の国語の勉強や、中学生の英語の勉強とまったく同じです。
「この文の主語は誰か」「この文の結論は何か」がわからなくてはなりません。
主語と述語の位置が離れすぎても分からなくなります。
長い文では読んでいるうちに、主語を忘れてしまいます。
また、日本語はよく主語が省略されます。
そのときに、主語が簡単に類推できることが、分かりやすい文です。
途中で主語が変わってしまったり、主語がわからなかったりすると、読み手は違和感を覚えます。
主語と述語の一貫性を保つことで、より読みやすい文書となります。

6.具体的な内容を記述する
ビジネス文書では、数字や固有名詞が具体的求められます。
「営業として気合を入れる」ではなく、「1週間で200本のテレアポをかける」となります。
数字は、誰が見ても同じです。ただし、書き方や見せ方でその価値は変わってくるかもしれません。
また、読み手の見慣れた数字というのも把握しておく必要があります。
千円単位なのか、万円単位なのかは「読み手」によって変わるのです。
一方で、あいまいな表現や形容詞はできるだけ省きます。(無いことが理想です。)
「努力する」「頑張る」「精進する」などの表現では、具体的でなく、どれぐらいなのかが判断しにくいものです。
読み違えるリスクを減らすことが求められます。

7.わかりやすい言葉を使う
「読み手」が普段使っている、わかりやすい言葉を使います。
専門用語や外来語などの使用は最低限度にとどめます。
平易な日常用語を意識するということです。
漢字や漢語表現が多すぎると、堅苦しく分かりづらい文書になりがちですから、ふだん使っている言葉で表現します。
ただし、社内に向けて各文書の中で、無理に言い換える必要はないでしょう。略称なども同様です。
単語や物事の理解度は別にしても、小学生が読んでも理解できる文書が理想です。
また、声を出して読んでみると、ふだんはあまり使わない言葉を無理に使っているなど、いろいろなことに気が付きます。
他人に読んでもらうことも、文書の確認方法には最適です。
特に、内容に精通していない方に見ていただくことで、自分と違う目線からアドバイスをもらえることがあります。

チェックシートを使用した文書指導の方法

部下や後輩のわかりづらい文書を手にして途方にくれることがあります。
そのときに、あきらめて自分で書き換えてしまうと、その苦しみはずっと続きます。
組織的な能力の底上げのためにも、勇気をもって、部下や後輩の文書指導を行ないましょう。
文書指導の基本は、具体的に指摘することです。
以下に文書指導の方法をご紹介します。

「指導力・仕事力を高める文書指導研修」
対象:部下全員
所要時間:部下ー文書作成30分、管理職ーチェック30分

ステップ1:文書の形式をチェック

まずは、「文書作成日時」「宛名」「発信者名」「標題」「結び(以上)」が忘れず記載されているかどうかをチェックします。
また、「本文」⇒「記書き」の形になっているかについてもチェックします。
文書形式が不適切だと、中身以前の問題となり、せっかく苦労して作成した文書が読まれないということになります。

ステップ2:「結論」⇒「理由」の形で書かれているか

ビジネス文書は、「結論」がまずあり、その直後に「理由」が書かれていることが原則です。
必要な項目と内容が、「現状」(結論)⇒「原因」(理由)、「対応」(結論)⇒「方針決定理由」(理由)の形で書く必要があります。

ステップ3:内容をチェック

形式や文書構造のチェックの後に、内容のチェックに入ります。
以下の点に注意して下さい。

1.内容に過不足がないか
2.口語と文語が混じっていないか
3.一文が長すぎないか(50字以上)
4.一文に複数の事柄を書いていないか(一文一義が原則)

また、添削コメントには、「主語が欠けている」という注意点の指摘だけではなく、なるべく、「ビジネス文書は具体性と正確さが求められるので、主語の欠如は致命的である」といった改善理由をつけると部下の方の納得感が増します。

チェックシートの有効な使い方

チェックといっても、上司自身が行なうばかりではありません。
部下や後輩に、チェックシートを渡して、自分でチェックをさせる方法も有効です。
次に、上司がそのチェックシートを見て、部下や後輩がどういったチェックをしたかを確認します。
そのうえで、基本に照らし合わせて、チェック内容を指摘します。
部下や後輩自身も、同じチェックシートを使っているので、課題点を共有できます。
また、自分の文書のチェックに抵抗感がある場合には、メンバー内で相互にチェックさせてみる方法もあります。
上司が指摘する前に、部下や後輩同士のチェックの中で気付きが生まれてきます。
そこで、改めて文書作成の基本の話をすると部下や後輩の納得感も高まるはずです。


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