2010年3月26日

「稟議書」の特徴と書き方のポイントを知ろう!

執筆者: インソース取締役 大島浩之

稟議書は、自分の権限で決定できないことについて上層部の承認を求める文書

稟議書は日本的経営の特徴のひとつであり、意思決定をスムーズに行うための“根回し”の一種として普及してきました。タテ割り社会において、事前に関係部署間で十分に協議し、あらかじめ合意をとっておくための潤滑油としての機能を持ちます。稟議書は、自分の権限で決定できない事項について、上司や組織の上層部の承認を求める場合に作成する文書です。提案された稟議書は合議先(不思議ですが、民間企業では“ごうぎ”、官公庁では“あいぎ”と呼ぶのが一般的です)の押印がされ、最終的な決裁者によって決裁印が押されると、効力が発生します。会社によっては「起案書」「回議書」「決裁書」「伺い書」等様々な呼び方がされていますが、実質的にはここでいう稟議書です。

 

稟議制度のメリット・デメリット

1.メリット?ひとたび決定されると迅速・効率的に実施できる

稟議制度においては、意思決定に長い時間がかかりますが、その間に組織内におけるコンセンサスが醸成されるため、ひとたび決定されると、極めて迅速かつ効率的に実施することができます。また、稟議制度は、問題を解決することに焦点を合わせているため、ひとたび問題が明確化されると、組織内メンバーはその決定について取るべき行動が明確になります。

 

2.デメリット?手間と時間がかかる

コインの裏表ですが、複数の階層における多数の管理者が個々に検討して承認するため、手間と時間がかかりすぎます。決裁権限者が意思決定するにあたり、自己判断を下す余地はほとんどなく、集団による決定を正当化するだけです。したがって、この稟議制度のもとでは、冷静で厳密な分析による意思決定が困難です。

 

稟議書の書き方のポイント

稟議書は様式を統一している会社が多く、基本的にその各項目を埋めていけば完成するようになっています。一般的なポイントは次の通りです。

 

◆本文の構成

構成は大きく次の3つが中核です。読み手である上司等が、判断するために必要な情報を十分に提供できることが大切です。最近は、案件によってはリスクの明示が求められることもあります。

  • 申請事項
  • 申請事由
  • 費用対効果

 

 

1.申請事項

モノを購入する、ヒトを配置するといった具体的な内容になります。

 

2.申請事由

何かを決定する場合には、必ず理由があります。
「なぜ」ということを具体的に書き、必要であれば、裏付データがあれば「別紙ご参照」と記し別紙に要領よくまとめます。

 

3.費用対効果

費用については、あらかじめ予算申請して認められたかどうかを明確にするのが一般的です。臨時に必要となる場合は、それなりの説得力がある理由が必要です。実施により期待できる成果や効果を予測し見解を述べます。極力、定量的なデータで示すことが重要です。単なる「事務効率化に役立つと思われる」といった記述よりも、「1ヶ月30時間の事務省力化が見込まれる」といった書き方がよいでしょう。

 

なお、決裁権限者が誰で、合議先がどこかは、決裁権限規定とか職務分掌規定などの組織内のルールに従ってください。金額の大きさにより決裁権限者が本部長と部長に分かれていたり、日常的な稟議事項と臨時的な稟議事項とでは様式は表題が異なっていることがありますので注意しましょう(例:稟議書と回議票)。

 

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