2010年4月 5日

「ゆとり世代」の新人の5つの特徴と求められる育成方法

執筆者: WEBインソース編集部

「ゆとり世代」の育て方セミナー 好評開催中!


 

今の「ゆとり世代」新人を知る

弊社は多数の企業・官公庁様で新人研修内定者研修を実施しております。そのため、たくさんの人事担当者の方から「ゆとり世代」育成について、ご相談やご意見を頂戴しています。育成担当者の多くが「ゆとり世代は我々とは違う世代だ」お考えです。しかし、「自分と世代が違う」ことを受け入れて対応していないようです。実際、自分達が受けてきた育成方法をそのまま今の新人に適用する例が多く見受けられます。当社では、育成方法を積極的に変え、ゆとり世代にも受け入れられる育成をすべきだと考えています。今回は、「ゆとり世代」と呼ばれる新人の特徴を踏まえ、有効な育成手法をご紹介していきます。

 

「ゆとり世代」の新人の特徴

育成ご担当者様の声に加え、弊社の新人研修担当講師からのヒアリングをまとめた結果、「ゆとり世代」の特徴は、大きく下記の5点だと考えています。

 

1.他者視点が育っていない
以前は、家庭における「しつけ」や地域社会による「教育」が充分機能しており、独りよがりの行動やルールを逸脱する行動を取ると、まわりの大人から咎められるというのが普通でした。よって、幼いときから他者の目を気にして行動する習慣がついていました。しかし、ゆとり世代には、他の大人(=他者)はどう思うのか?という視点が育っていません。すなわち、「ある行動は、他者の眼から見てどう映るか行動前に気にする」という判断軸が育っていません。そのため、自ら良かれと思って行動した事に対して、職場で上司や先輩から「勝手なことをするな!」と指摘されても、どうして咎められるか、何がまずいのか理解できないのです。

 

2.深く考える習慣が育っていない
世代にかかわらず「深く考える習慣が育っていない」人が増えています。特にゆとり世代にはその傾向が顕著です。仕事においては、「仕事のやり方を全て書いたマニュアルが存在して、それを覚えさえすれば、その通りやれば、100%満足する仕事ができるはず。」と多かれ少なかれ、考えている人たちが増えています。よって、事前に座学で習ったこと、直前に指示された範囲のことは懸命にやろうとしますが、「これで求められていることは十分出来ただろうか?」と自問し、指示された行動を超える仕事をやろうとはまずしません。その結果、仕事の品質に関して、問題点を指摘すると、「そんな事は先に言ってもらわないと困る」と先輩、上司に噛み付くのです。

 

3.楽して、きれいに成果を上げたい
ゆとり世代は仕事で必要なスキルの習得でも、マニュアルや研修を通じて身につけることを望んでいます。
実務での反復練習、いわゆる「体で覚える」ことを嫌います。昔はよくあった「体で覚えるんだ」は、今のゆとり世代からすると「指導ではない」のです。スキル習得とは、ゆとり世代にとって「努力せずに理解できるテキストがあり、机に座って、優しい教官が分かりやすく教えてくれ、自然と身につくもの」なのです。「体で覚えろ」と言われることに対しては、「この上司は職務を果たしていない。なぜなら、私に上手に教えない」と考えます。「努力し、苦労して、何度も失敗して身につけたこと」が、結果的に自分の本当の実力になっていく」などとは理解しません。

 

4.チャレンジする「心」が育っていない
ゆとり世代は、組織の中で果敢に自らの「存在」を主張するという意識が希薄です。最近は、積極的に学ぶ姿勢に欠ける学生が増えています。大学の授業には真面目に欠かさず出席するものの、講義中は音楽を聴いたり、メールを打ったりと全く聞いていないのです。まるでテレビでも見ているように教室にいるのです。
そんな世代が職場に現れるわけですが、職場の「傍観者」には絶対してはいけません。さまざまな仕事を積極的にさせ、その仕事を通じてチャレンジする心を育てていく必要があります。

 

5.年長者と話そうという意識が育っていない
よく「ゆとり世代」の新人について、同期同士は頻繁に話したり、メールしたりするが、上司、先輩とは、積極的にコミュニケーションは取らないというお話を伺います。その原因は、2つあると考えます。
1つ目は、「年長者という存在に慣れていないこと」。
2つ目は「仕事における上司・先輩の必要性・重要性を理解していないこと」です。

 

(1)年長者という存在に慣れていない
ゆとり世代の話を聞いてみると、「年長者がキライ」というよりも、「年長者とどう接して良いのかわからない」といった答えが返ってきます。詳しく話してもらうと、「年長者と共通の話題がないから何を話したら良いか分からない」と言うのです。また、「何となくイヤ」などといった積極性の欠如も認められます。まずは、朝の挨拶などからスタートし、年長者に慣れさせるところから始める必要があります。

 

(2)上司・先輩の大切さが分からない
前述した通り、ゆとり世代は「仕事はマニュアルさえ読めればできる」と考えている節があります。ですから、組織で仕事をするということがまだよく分かっていません。職場では、上司・先輩から事前によく話を聞いていれば、仕事のミスや手戻り、トラブルなどを防ぐことができます。年長者との会話は「円滑な業務実施(=仕事ができる様になる)」のために不可欠ということを理解させることが鍵です。

 

現在求められる育成方法

1.じっくり育てるが大前提
大変ネガティブな事を書いて参りましたが、悲観すべきではありません。むしろ、ここから積極的な人材に育てることが可能であると考えられます。

 

(1)5年後には一流人材に育つ
ゆとり世代を含めて最近の新人は「育たない人材」ではなく、「少し育つのが遅い人材」と考えた方が良さそうです。弊社の経験では、職場における5年後の到達地点は、以前も今の新人も全く変わらないと感じています。まずは、ゆとり世代新人を自身と比較して見るのをやめるべきです。「私の時代は・・・」「私が新人の時なんか・・・」を封印するのです。現実的には、実年齢からマイナス3才?4歳ぐらいで、見ると良いでしょう。そんな視点で指導していけば、イライラせず、むしろスムーズに育成する事が可能です。実際、習ったこと、指示されたことを懸命にやろうとする真面目さは持ち合わせているので、上手に育て、教えていけば、職場で急速に成長していきます。

 

(2)長期計画が望ましい
組織にとって望ましい新人の成長曲線は僅かな期間で組織人として、優秀な戦力として仕上がる「先行型」ですが、ゆとり世代の新人にはゴール前でどんどん優秀になっていく「追い込み型」の成長曲線を想定することがよいと考えます。よって、新人育成計画は、1年目はじっくり、ゆっくり、2年目、3年目でスピードを上げるような内容が理想です。つまり、可能であれば、新人の育成計画は、1年間だけではなく、2年から3年の長期スパンで考えるべきです。

 

2.早期戦力化には考え方を変える
とは言うものの、厳しい環境下、そんなに悠長な事は言っていられないのも現実です。工夫次第で早期戦力化は可能です。ある企業では、2週間の集合研修の後、すぐ現場に配属し、その後、すべてOJTで新人を育てるという方法で長年新人を育成していました。しかし、近年新人に手がかかりすぎ、現場負担が大きく、育成方法そのものを見直すことしました。見直し後、各部門の業務に共通する集合研修を1ヶ月間実施し、その後、現場に配属。1週間に2日間のフォロー集合研修を6ヶ月間実施しました。つまり、OJTと集合研修をサンドイッチにして、新人の育ち具合にあわせた研修方式に変更しました。その結果、業務の習得が比較的早く、現場負担も少なくなりました。前年比大幅に育成期間を短縮できたのです。


これは、ほんの一例ですが、今は過去の育成方法を見直し、これから育っていく新人仕様にする絶好の機会です。そのためには、育成の「準備」が極めて重要です。
具体的には、
(1)教える事を厳選し、明確化すること
(2)新人にあった教え方を工夫すること
(3)達成目標を立てること
の3点が大切です。
当たり前ですが、準備の密度が新人育成期間を決めると言えます。

 

(1)スキルマップを作る?教える事を明確化する
まず、今後最低限身につけてほしいことを洗い出します。具体的には、今後5年程度で学ぶべきことを列挙したスキルマップを作成します。「社会人スキル」(社会人として必要なマナー・常識)、「業務スキル」(仕事をする上で必要なスキル)などに分類し、併せて、そのスキルを身に付けるべき到達目標期間(3ヵ月後、6ヵ月後、1年後など)決めたスキルマップを作成します。この習得目標を早期に作成し、明示すれば、チャレンジ目標が明確になり、チャレンジ心が弱いゆとり世代でも、スキル伸長に取り組みやすくなります。
(ご参考:現場にマッチした育成計画、育成計画書の作り方

 

(2)教える工夫?好きな座学を取り入れる
ゆとり世代の新人育成には、座学(いわゆる研修)を積極的に取り入れるのが効果的です。前述の通り、ゆとり世代の傾向として「机上で教えられた」という実感がないと、「聞いていない」と感じる傾向が強くあります。定期的に座学で体系的な知識の整理を行なう一方、OJTにより、各人に合わせた指導をします。彼らの慣れたパターンで仕事を学ばせていくと、戦力化が早くなります。ただ、育成担当者が毎度毎度座学の講師を務めるのは大きな負担です。従って、組織で分担して教えるようにします。さまざまな業務のエキスパートが分担して、講師を務めれば、新人の意欲も増し、また、年長者と触れ合う機会ともなり、育成担当者に負担が集中することもなくなります。

 

(3)「育成計画」をこまかく立てる
もちろん大きな目標も必要ですが、まず小さな目標を立て、着実にこなしていくのが良いと考えます。育ちにあわせた、ゆとり世代新人の1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の育成目標(=何を理解し、できるようになったらよいか?)を立てます。小ステップに分けることで、達成すべき事が明確になり、新人に積極性が出てきます。そのために何(=具体的に何ができて欲しいか)をどのような順序で覚えてもらうかを考えます。具体的であればあるほど、指導効果が高く出ます。

 

3.模倣から学ばせる
ゆとり世代新人だけでなく、若手には「早く創造的な仕事がしたい」という欲求が強いものです。しかし、深く考える習慣が育っていないのに、いくら「考えて、創造的な仕事をせよ」とチャンスを与えても、あまり良い結果は得られません。むしろ、最初は徹底的に「模倣」させるのが創造的な仕事の近道になることを教えます。ゆとり世代新人には、早くきれいに仕事をしたい、失敗したくないという特性があります。ですから、簡単な仕事の「模倣」であっても、まず、新人に何かしらの成果を生み出させることが成長につながります。また、成果を出すことができれば、達成感が高まり、“もっと深く仕事がしてみたい。”“もっと創造的な仕事がしたい”と強い探求心が出てきます。その後で、少し複雑な仕事を与えるという手順を踏むと、深く考える習慣を徐々につけていくことが可能です。

 

4.他者視点の判断軸を教える
ゆとり世代の新人にとっては、自分の判断基準より優先される「職場のルール」が存在することはなかなか理解できません。職場には職場のルールや慣習があり、明文化されていないものも相当数あります。ゆとり世代新人には「自ら学んでほしい」と伝えると同時に、判断の軸が身につくよう指導もしていきます。まず、仕事を依頼する際に、具体的な行動を仔細に教えるのではなく、「何を判断軸に行動するか?」を教えるように心がけます。例えば、電話メモの取り方を教える際には「電話をくださった方(他者)が一番嬉しい様にメモを取るべき」ということを伝え、具体的な行動を他者視点で考えさせます。こうした訓練を継続して実施することで、徐々に他者視点を持てるようになります。

 

▼インソースの新人研修は「自立と自律」がテーマ
▼「ゆとり世代」新人を育てるためのOJT研修

 

 

「ゆとり世代」新人の成長と育成方法を書いた本
『内気でも活躍できる営業の基本?研修会社インソース 新卒3年目・中島が伝える営業の頑張り方』

 

■公開講座?多彩なラインナップ、実践的なスキル・ノウハウを習得!

■研修・コンサルティングのお問い合わせはこちら