2010年5月11日

研修体系構築における6つのポイント

執筆者: WEBインソース編集部

インソースで研修体系を構築する際は、現状分析として、経営課題の再確認などを実施し、以下の3点をバランスさせ、体系を作っていきます。

1.階層別に求められるスキルを定義
2.経営理念を再徹底する
3.変革のために必要な意識とスキルを埋め込む

現状の分析・把握

まずは、自社の外部、内部環境の分析から経営課題を明確にし、それに照らして、人材に求められる役割と現状の働きを対比することで、ギャップを明らかにする必要があります。
入社時は社員の一人一人が「組織が求める人材像」に違わなかったはずです。
しかし、環境変化、職位により「求められる働き」は刻々と変化しています。
よって、階層別研修では、このギャップを埋め、各階層の現状を理想に近づける内容にする必要があります。

階層別に必要なスキル

1.「何ができたら」を基準に職位のスキルを定義

現状分析をベースにして、各階層に求められる職務を明確にします。
人材評価の観点からも非常に重要な事項です。
具体的には階層の役割を単に職位(職務の位置づけ)として定義するだけではなく、職位に期待される能力・行動特性まで深掘りし、記述します。
例えば、係長の職位定義を「部門目標達成の実務的な責任者」とした場合、能力・行動特性として、「何ができたら、係長か?」というアプローチで考えていきます。
部下指導能力であれば「部下の仕事をプロセスに分割し、洗い出し、その能力を評価し、指導できる」などど、具体的内容を示すことが必要です。
また、それは職種の違いを越えて共通のものであるべきです。
研究職と営業職など、職種が違っていても、「同じ職位」であれば、期待される行動特性は同じ企業であれば共通するはずです。

2.人事部門が知る全社的課題を埋め込む

人事部門は通常、会社のあらゆる部署や社員と接点を持っています。
よって人事部門は、他部署から出てこないような会社全体や現場の課題・問題点を把握しています。
例えば、「若い社員の退職者が急速に増えている」、「うつ病で休職する社員が一向に減らない」、「管理職層に比して若手社員の人数が多く、現場OJT指導がうまくいかない」などの問題は、会社の「ヒト」に関する動きを包括的に把握できる人事部門でなければ見えない問題です。
そういった人事ならではの視点から、「メンタルヘルス」、「労務管理」、「OJT」などの知識、スキルを盛り込むことも必要です。

3.結果的に「ありきたり」でも問題ない

階層別研修には時代、組織にかかわらず求められるものが「同じ」である場合が多々あります。
検討を重ねた上で「同じ」になったのであれば、十分見直しをしたことになります。

経営理念の徹底

次に全階層に対して徹底すべき内容として「経営理念の再確認」を加えます。
人が組織のために自発的に動くには、その組織の理念に共感できなければなりません。
会社で働く一人ひとりが会社の理念に共感できなければ、一人ひとりが自発的に動かなくなり、組織全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。
経営理念は、苦労しなくても業績があがる好況期には、大方忘れられていることが多いものですが、近年のような未曾有の危機を乗り切るには、経営理念に立ち返って、何のために働くのか?何ができれば、成果を上げたといえるのか?を改めて確認することが絶対に必要です。
もちろん、厳しい環境下で戦い続ける社員に、経営理念と自らの行動の関連性について沈思黙考する時間など無いのが普通であり、そのような組織がほとんどです。
だからこそ、階層別研修により、経営理念の再浸透を図り、社員のベクトルを合わせていくことが重要です。
そして、管理職には部下に経営理念を徹底させることの重要性を理解してもらいます。

変革の意識とスキルを埋め込む

「変革」を実現するため最も重要なのは、「変革の意思」です。
腹の底から、「変革が必要だ、変革のために一緒に戦いたい」との想いがないと、変革は実現しません。
厳しい現状認識を行い、経営陣の変革への「本気」をお伝えすることが全ての階層別研修に組み込まれている必要があります。
また、スキル面で必要な要素を変革の方向性を踏まえ、組み込みます。
また、危機を乗り越えた、5年後を見越して必要な能力・行動特性を加える事も必要です。
いずれにしろ、経営トップの想いを分析し、求められる教育を明確化しましょう。

全体のバランスを取る

最後にバランスをとります。
このように、自社の現状を分析・把握したうえで、「各階層に求められる役割と人事から見た課題の解決策」6割、「経営理念」1割を組み込んで、研修体系の7割がたのベースを作り、そのうえ3割程度を「トップが求める変革」とすべきです。
トップからの勅命「変革」という言葉を意識しすぎて、必要な階層役割、経営理念が組み込まれなくなると、逆にトップの不安を煽ってしまい、新しい研修体系を納得させることはできません。
企業は、過去から存在し、未来へと続く存在です。
「変革」を確実にするためには現実とのバランスを取ることも重要です。

研修時間を見直す

「研修体系を見直せ」の仕上げは、研修時間です。
昨今「3日間の階層別研修」時間を確保できる企業はめっきり減りました。
経営陣の期待に応えるためには、階層別研修の時間短縮(研修コスト削減)は人事研修担当者にとって、必須といえます。
短時間の研修を効果的にするためには、以下の2点の導入をお勧めします。

1.事前課題を設定

一連の研修の中に事前課題を位置づけ、時間節約を図ります。
課題内容は「当社を変革するため、経営理念を踏まえて何をすべきか?」など、直接研修にかかわる内容とし、自身で考え抜かせるのです。
1日目の午前中が「自己紹介、アイスブレイク、問題点の気づき」から始まるようでは、経営陣の納得は得られないでしょう。

2.研修後のフォロー

研修後のフォローでは、感想文を書かせる様な内容では一過性で終わってしまいます。
当社の経験から申し上げれば、「研修で身に付けたスキルを忘れさせない工夫」が極めて効果的です。
研修を忘れさせず、現場で研修内容を活用させるためには、3ヶ月程度に渡り「どんな場面で、どんなスキルを活用し、どんな成果を得たか」を定期的に問い続けることが効果的です。研修成果の測定は非常に困難ですが、研修で身に付けたスキルを実際に発揮させることは研修担当者の努力で可能です。

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