2010年8月24日

女性管理職の登用と育成

執筆者: インソース取締役 大島浩之

30年前、女性の恩師の奮闘

大学時代の恩師は、国立大学初の法学部女性助教授(その後教授)でした。私など手が届かないほど優秀な方でしたが、女性としての大きな壁が立ちはだかっていました。特に、キャリアを積む時期が出産や子育てと重なっていらっしゃったこともあり、そのご苦労は傍目で見て大変だと思われました。何らかの形で仕事と出産・子育てとの両立支援がなければ、女性の社会進出は絵に描いた餅だと実感しました。30年以上前の話です。
 

女性が社会的に活躍していることの指標

ところで、女性が社会的に活躍しているとは、どのような状況をいうのでしょうか?私は、管理職に就く女性が多くなっていることが目に見えてわかりやすい指標だと考えます。人は何よりも権限と責任がある仕事において活躍できる推進力になります。ちなみに、日本で管理職のうち女性の比率は10.6%(2009年「労働力調査」)です。欧米の40%弱に比べるとまだまだかもしれませんが、徐々に高まりつつあると思います。
 

経営トップからのメッセージが大事

では、女性が活躍するためには、どうしたらよいでしょうか?上述した仕事と出産・子育てとの両立支援はもちろんのこと、女性への“インセンティブ”付与が不可欠とか、管理職の理解が必要だといわれています。確かにこの点も重要ですが、実は、この三者の解決策として、トップダウンに勝るものはありません。経営トップからのメッセージ発信が一番威力を発揮します。このうえで、“ダイバシティー(キャリア・パターンの多様化)”を前提とした人材育成や“メンター制度(上司とは別に指導役となる先輩社員が新入社員をサポートする制度)”の導入の取り組みなどが有効と考えられています。
 

女性登用に関する政府の取り組み

さらに、政府の取り組みをみてみます。政府の男女共同参画会議の基本問題・計画専門調査会における最近の議論で、“ポジティブ・アクション(積極的改善措置)”の例として、“クオータ(quota)制”があがっています。“クオータ制”とは、割当制のことで、例えば、「管理職のうち40%以上を女性にする」とかいうものです。あるいは、“ゴール・アンド・タイムテーブル方式”といって、具体的な目標値と達成期限を設定して女性の割合を高めていこうというものです。具体的には、次のとおり、第3次男女共同参画基本計画に盛り込むよう提案しています。「管理職・役員における女性の登用についての具体的な目標(例えば2015年の目標)を設定するなど実効性ある取組を行うよう強く働きかける」。すでに一部の企業では、女性登用や育成について経営計画などでの明文化や目標策定など経営方針への位置づけを行っているそうです。

いずれにしましても、性別に関係なく優秀な人材を育成することが、会社や組織の活性化あるいは社会的な責任(CSR)を果たすことになるとみてもよいでしょう。

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