2010年8月31日

ゼネラリストとスペシャリスト

執筆者: インソース取締役 大島浩之

ゼネラリストとスペシャリスト、どちらが有利か

「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」、どちらが有利かという議論をよく耳にします。一寸先は闇の時代になってきたため、どこでも専門が活かせるスペシャリストがよいのではないかという意見は代表的なものでしょう。

一方、最近は、小さなことにこだわることなく、全体の大きな流れをつかみながら、仕事をスムーズに進めていくゼネラリストも必要だということで、ゼネラリスト復興です。さらに言えば、「ゼネラリスト」は「変革リーダー」と殆ど等しいもののような観も呈しています。おそらく、前者は従業員的な論理、後者は経営者的な論理の意味でしょう。

 

両者とも「プロフェッショナル」

考えてみれば、かつて、ゼネラリストは管理職、スペシャリストは専門家、良い意味で両者ともプロフェッショナルという前提でした。少なくとも、私はそのように理解していました。ということは、大半の人はゼネラリストにもスペシャリストにも分類できない従業員だったわけです。ですから、真の意味のゼネラリストは、どこの組織でも通用します。その会社をやめた途端に仕事のできない人に変身するわけではありません。

 

プロになるには1万時間必要

これに対して、3年目や5年目の自称スペシャリストはプロフェッショナルとは言いがたいと思います。その道のプロになろうとすると、1万時間は必要だといわれています。1年の勤務時間が2000時間だとして、5年はかかります。大学の専攻が機会工学であり、2年程度学んでいたとしても、機械工学のスペシャリストとは言い難いです。あるいは、法務・会計の難関な試験に受かったとしても、5年は社会で揉まれないと通用しません。常識です。

 

ゼネラリストとスペシャリスト、有利さは比べられない

以上からすると、ゼネラリストかスペシャリストかどちらが有利という議論は皮相的に思えます。プロフェッショナルという観点でいえば、一つの分野に精通しているのがスペシャリスト、分野横断的に組織活動ができるのが経営のスペシャリスト、あるいはマネージャーのスペシャリストです。

この場合、前者と区別する意味で後者のことをゼネラリストと理解するのがよいかもしれません。私の論理でいけば、ゼネラリスト=マネージャーのスペシャリストとなります。いかがでしょうか?

なお、江戸時代の丁稚奉公で暖簾分けされ、見事に店を持つ人は200?300人に1人だったといわれています。プロになるのは、今も昔も厳しいですね。

 

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