インソース執行役員・井東が語る(9?2)
2010年11月 4日

在庫の意味を考えよう(2)?過剰な在庫が危険な理由

執筆者: WEBインソース編集部

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在庫は「資産」であり「コスト」である

在庫とは、当り前のことですが、商品・製品・原材料・貯蔵品などの科目でバランスシートに計上される「資産」です。これは、商売を成立させ、会社を発展させるために必要不可なもので、良い商品を揃え、お客さまに喜ばれることが大切なことは、今更言う必要がないと思います。「財庫」と言い換えても差し支えないと思います。

一方、在庫は、お金を支払って仕入れている、あるいは製造している以上、モノに成り代わった「カネ」であるとも言えます。つまり、在庫は、「資産」であると同時に、「コスト」でもある訳です。

 

在庫を多く持ちすぎるとなぜいけないのか

それでは、在庫を多く持ち過ぎると、なぜいけないのでしょうか?

 

1.キャッシュフローを悪くします。
?最悪の場合は、キャッシュフローが回らなくなります。

2.余った在庫の値引き販売により、粗利益などの利益を下げてしまいます。

3.支払代金以外に様々なコストがかかってきます。
?例えば、倉庫代、物流費、商品保険代、滞留金利、LC手数料(商品を輸入する際に、銀行から信用保証状を発行してもらう手数料)、棚卸コスト(目に見えないコスト)などが挙げられます。

 

つまり、過剰在庫によって、「利益・キャッシュフロー」を悪化させ、経営の根幹を揺るがす事態にまで発展してしまうことすらあります。この場合はまさに、在庫が「罪庫」となっています。

 

在庫の「市場価値」を意識することが大事

在庫で留意しなければならないのは、在庫の「市場価値」です。どんな在庫でも基本的には、仕入れてから(製造してから)1年以上販売できていない在庫は、「市場価値」が相当劣化しています。「モノが腐らない以上、いつでも販売できるから、価値は変わらない。」という言い分もあるでしょうが、これは大きな誤りです。

アパレル企業であれば、シーズン終了後(仕入れてから半年後)には、正規の値段では売れませんし、飲食店やスーパーのように生鮮食品を扱っている会社は、非常に短い期間しか商品が持たず、すぐに廃棄処分になってしまうなど、商品鮮度が1年よりずっと短いケースも多々あります。

以上のことから、バランスシートの在庫についても、在庫の「市場価値」に応じた評価替えを行うべきですし、在庫評価基準を作成して、常に厳格な在庫評価を行うように心がけるべきです。これは上場企業に限ったことではなく、中小企業でも同様です。

 

現場の人たちも在庫の意味を理解しておくことが大事

もう一つ大切なことは、在庫の意味とその功罪については、経営陣や幹部社員だけが分かっていれば良いのではなく、現場の人たちにも徹底して、全社一丸となって取り組む必要があるということです。

現場の人たちの中には、ただ売上を上げれば良いという意識だけで、在庫を残すことがどれほど危険なことであるか、また、適正在庫がどのくらいの水準なのかを知らない人が多くいますが、これではいけません。

在庫については、経営トップから末端社員に至るまで、全社員が細心の注意を払って、日々の経営にあたって頂きたいと考える次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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