2011年1月26日

管理職は何をマネジメントするのか?

執筆者: インソース営業本部長 井東昌樹

「はじめて管理職になった時に、何をどうしたらいいのだろうか?」と悩んだ経験を持った方や、不安に思っている昇格間近の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、管理職が管理すべきことについてお伝えいたします。

 

個人レベルの業務が期待通りに遂行できれば良かった

管理職でない人は基本的に、自分の与えられた業務をしっかり遂行することが大切です。その他、管理職のサポートをすること、後輩の面倒を見ることなどもあります。これらの点が合格点に達していれば、管理職に昇格する可能性が高いのではないかと思われます。営業職であれば、営業成績が良ければそれだけで昇格することも十分ありえます。個人レベルの業務が期待通りに遂行できればよいわけです。

 

一方、管理職の業務は、マネジメント=管理です。自分の担当業務を持ちながらマネジメントを行うプレイングマネジャーにしても、求められる最大の役割は、マネジメントです。

 

「名選手は名監督にあらず」

「名選手は名監督にあらず」という言葉があるように、プレイヤーとして優秀な人でも、マネジャーとしては能力を発揮できないこともあります。これは、マネジャーが、「プレイイング」と「マネジメント」について、役割と求められる能力が根本的に違うと理解していないこと(マネジメントについて教育されていないこと)に起因します。

 

それでは管理職(マネジャー)は何を管理すればいいのでしょうか。細かい管理項目を挙げたらきりがありませんが、大きくはたった3つないし4つだけです。難しく考えることはありません。以下の点だけきちんと行えば、十分なマネジメントができるようになります。

 

業務マネジメント

1つ目は、「業務マネジメント」です。自部署の業務マネジメントを行うには、以下のことを継続して行います。

 

  • 会社目標に則った部門(部署)目標を設定する
  • 部門目標を達成させるための具体的な施策をいくつかあげる
  • 諸施策について、誰がいつまでにどのように展開するのかを明確にする
  • 施策の進捗を週次でフォローする
  • 部下一人ひとりにも「週間計画表」を提出させ、マネジャーはきちんとチェックする

 

この中で最も重要なことは、「週間計画表」であると私は考えています。週間計画を立て続けることによって、業務の「整理」「棚卸」の習慣が身に付く、業務の中での「考える」癖を体得できるなど、得られるものは非常に大きいです。

 

人材マネジメント

2つ目は、「人材マネジメント」です。「人材マネジメント」というと、漠然としすぎており、頭を整理できない人もいると思われますので、何をどうすればよいのかを端的に記します。

 

  • 部下の育成を行うこと
  • 部下の評価、査定を適切に行うこと
  • 部下のモチベーションを保つこと

 

部下の育成と評価、査定についてのポイントは、「業務目標」と「能力開発目標」を設定し、そのプロセスを月次でフォローしていくことです。つまり、個人目標の「PDCA」を行うことです。これは前述の業務マネジメントとほとんど変わりありません。目標管理の目的は、上司の視点からは「部下の人材育成」になりますが、部下本人の視点に立てば、「成長実感」を持つことと言えます。目標達成に向けて努力することが、成長をもたらしてくれます。

 

目標のないところに成長もありません。部下本人が成長実感を持つことができるか否かは、本人のパフォーマンス、モチベーションに大きく影響を及ぼしますので、要注意です。部下のモチベーションを維持することは、様々な要素が絡んでいるため、一筋縄にはいきません。そのポイントは、「部下をよく見てやること」に尽きます。

 

  • 常に部下の表情、顔色、言動に気を配る、アンテナを張っておくこと
  • 上司があまり気難しい表情はしないこと、オープンな態度でいること
  • 目標管理をきちんと行い、自分の評価は明確に伝えること
  • 大勢に影響のない部下の失敗は大目に見てやること (逆の場合は、きちんと叱ること)
  • 部下の強み、弱み、性格をきちんと把握すること (人を見る眼力を養うこと)
  • 能力のある部下にはきちんと報いること(部下の‘区別’は必要)

 

リスクマネジメント

3つ目は、「リスクマネジメント」です。マネジャーは、普段の業務が忙しいがゆえに、リスクマネジメントをなおざりにしがちですが、常にリスクを念頭に置きながら業務を遂行しなければなりません。リスクを考えられない人はマネジャーになってはいけません。リスクマネジメントのポイントを記します。

 

  • 業務の中でのリスクを洗い出すこと
  • リスク、トラブルが発生したら、マネジャー自らが解決に当たること(逃げないこと)
  • 悪い情報ほど早く伝えることを部下に徹底すること(人に迷惑をかけたくないという思いで、自分だけで解決しようとする人がいるが、正しい問題解決手段としては全く逆)
  • 緊急連絡網を作成し、修正は発生するたびに全員で共有すること(これは結構抑止効果あり)

 

当たり前のことを当たり前に

以上3つのマネジメントについて述べてきましたが、マネジメントの要諦はさほど難しくないと感じられたのではないでしょうか。言葉で書かれたことを「認識」することは簡単ですが、それをきちんと「理解」し、自分の体の中に「血肉化」することは簡単なことではありません。そのためには、当たり前のことを繰り返すこと以外にはありません。

 

読者の皆さまにおかれましては、本稿を参考にしつつ、自分なりのマネジメントスタイルを確立して頂きたいと思います。

 

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